Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

モハーの崖 と コネマラマーブルの蛙

◆ アイルランド自転車旅 ◆

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☆ 14日目

モハーの崖
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エニスからモハーという海岸の断崖を目指します。
霧のような霧雨のような天気。
距離は短かったけれど、海まで向かい風だったので楽ではなかったわ。
深い霧で道に迷ったりもしたの。
でもトラブルもなく順調に海岸まで行きました。
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☆コネマラマーブル
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モハーの崖の近くに石屋さんがあったので寄ってみました。
ここより北にコネマラという地域があるんだけど、そのあたりで産出する緑色の大理石が売られていました。
歴史のある石で、オスカー・ワイルドも「凶暴な(savage)美しさ」と讃えています。
心配事があるときになでる(?)「ウォーリーストーン」とか、願い事を叶える「ウィッシュストーン」とか、平穏と静けさをもたらすパワーストーンとか、いろいろないわれがあるそうですが、私が見つけたのは「蛙」です。
コネマラストーンの蛙。貴重です。

モハーの崖までの坂道では霧雨のせいもあってチェーンの歯飛びが何度もありました。少し心配です。

モハーの崖に到着すると、駐輪場にコナー峠で見かけた自転車がありました。あの時追い越した旅人も、ここに来ているみたい。
アーバスが何台も停まっている観光地のようだけど、すごい霧で辺りの様子がよくわからなかったの。でも人がいっぱいいるらしいことは分かったわ。

崖まで行ってみると残念ながら真っ白な世界。せっかく来たけれど崖を見ることはできそうになかった。
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それがしばらくするとみんなが崖の方へ走り出して、興奮した様子の明るい声が聞こえ始めた。私たちも崖に引き返してみると、霧が晴れだしてモハーの崖が姿を現していたの!

実はこんなに雄大なところにいたなんて。
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崖の上の塔です。辺りはたくさんの観光客でにぎわっていました。
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崖はずっと遠くまで続いています。崖の上には道が続いていて、歩いていくこともできるみたい。
夜明け前の薄明るい時間とか、天気のいい初夏の陽気の午前中なんかに、静かに歩いてみたいなあ。
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私は危ないから崖の端までは行かなかったんだけど、カタリは端まで行って海をのぞき込んでいました。
どうしてそんなことをするのかしらね。
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☆リスドゥーンヴァルナの町
モハーの崖から少し北東に行ったところにリスドゥーンヴァルナという町があります。まだ早い時間でゴールウェイを目指すこともできるんだけど、しばらく二人で考えてから、今日はこの町に泊まることにしました。

商店と郵便局と教会が一軒ずつ。でも宿が数軒あって、お土産屋さんもあるの。小さい町だけど、どうやらモハーの崖の観光の拠点になるような町みたい。スモークサーモンの伝統的なお店も有名なようです。

☆町の宿
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☆宿の部屋
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この宿はシャワートイレ付きの部屋なんだけど、バスタブ付きでした。
旅の宿では共同シャワーだけということが多いので、とってもうれしい。
お湯も熱くて、ゆっくり入りました。
その間カタリはバイク旅のおじいさんと自転車を納屋へ移動させたり、おじいさんのテントを干すのを手伝ったりしていたそうです。

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宿の隣には小さな小さな図書館がありました。
窓枠が赤く塗られていて、とても可愛らしいの。

商店でせっけんやパンを買ってパブへ。その後宿でバイク旅のおじいさんとお話しました。
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宿の居間には暖炉があって、おじいさんとここでゆっくり過ごしました。暖炉の周りにはハイキングをしたお兄さんたちが靴を並べて乾かしています。
おじいさんはフランスからフェリーで来たそうです。イギリスは経由しないで直接来た、と言っていました。予定のない旅をしているそうで、明日はこの近所を回るのだそうです。宿に泊まったのはテントを乾かすためだけだ、とも言っていました。
バイクはイギリスのトライアンフというバイクだそうです。「BMWサイドカーも持っているけどフランスでは横に人を乗せて走っちゃいけないんだ。だからいつも荷物を乗っけて走ってるよ」といってサイドカーの写真を見せてくれました。アンティークなバイクだそうです。
それからとても大事そうに折り畳みのナイフも見せてくれました。木造りの柄には定規とコンパスの印章がはめ込まれていた。つまり彼はフリーメイソンの一員だったの。国境(border)のない友愛について話をしてくれたわ。その話をするときのおじいさんは思想を熱心に説く人のそれではなく、とても優しい表情で、ひかえめな表現の言葉をつかっていた。話があまり深入りしないように気をつかってくれているようだったわ。

午前中は雨と向かい風で大変だったけど、温かいお風呂に入れて、暖炉の火を囲んでお話をして(おじいさんの他にも二人のお姉さんも一緒でした)、ゆっくり過ごすことができました。


               ☆明日へ続く

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