Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

『ミラーマスク』という創造的なファンタジー映画

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この前好きなバンドの一つ The Birthday Massacreについて少し書いたので、今回は好きな映画の一つを紹介します。

「ミラーマスク」です。

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どういう映画かというと、
とっても「独創的な」映画です。

ジャンルとしてはファンタジー、あるいはダークファンタジーになると思うんだけど、剣と魔法のトールキンファンタジーではない。アリス的ではあるけれど、キャロル的ではない。エンデや賢治のように、「個人的な」ファンタジー。どの範疇にも属さないような、まさに独創的。

物語は主人公であるヘレンの心的世界を中心としたもので、そこに出てくる登場人物たちは「ありそうな」ファンタジー世界の住人達から大きく飛躍した「突飛な」連中。パペットの大家ジム・ヘンソンが映像化しただけあって、CGだけではない質感があるの。
キャラクターたちはかなり独特だけれど、ファンタジーというものはシュールレアリストたちが重んじた深層心理と切っても切れない関係があるから「鏡」とか「光と闇」とか「匿名性」とか、そういった象徴的な要素は他のファンタジーにも共通した部分がたくさんある。
そして映像がきれい。『ファンタジーファクトリー(The Dust Factory)』という映画にも感じたんだけど、サーカスにある奇妙できらびやかな怪しい美しさみたいなものがあるの。
それと創造性。ものを創るクリエイターたちが放つあの有機的な感覚。潔癖や整然なんかとは真逆にあるような、生理的で動物的な世界。計算されたものを事務的に描く絵画ではなくて、何度も何度も油絵の具を重ねながら表現していくような創造的な世界。そういった魅力を感じるわ。

ファンタジー好き、サーカス好き、クリエイター、スチームパンクな人? にはぜひ観てほしい映画ね。