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旅乙女と発明娘の子供部屋

Camino自転車旅 「旅路の行程・一日の流れ」 2日目「カタリーナの忘れ物・かわいらしい丘の町シラウキ」

サン=ジャン=ピエ=ド=ポーからサンチアゴ=デ=コンポステーラまでの巡礼路を自転車で旅しました。

同じ道を旅しようと考えている人の手助けになればと、記録を残します。
               文:Luna    助言・あーせい更正・校正:katari
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「旅路の行程・一日の流れ」

え? 日中はお店が休みなの?

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☆ サン=ジャン=ピエ=ド=ポーからサンチアゴ=デ=コンポステーラまでの全行程
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<このページの記事>
〇 ページのトップ
〇 全行程
〇 目的地サンチャゴの先がある
〇 一日の流れ
・朝 ・出発 ・午前中 ・お昼 ・うっかり忘れると大変 シエスタ 
・アルベルゲに到着 ・巡礼者の夕べ ・消灯時間
〇 一日を通してみると
〇 日記 2日目「カタリーナの忘れ物・丘の町シラウキ」


☆ 「フランス人の道」の地図
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こちらは数ある巡礼路(カミーノ)の中の一つ、「フランス人の道」の地図です。
地図には毎日の基点となる巡礼宿「アルベルゲ」の位置や、食料を手に入れるための商店やスーパーマーケットの位置が記されています。

地図を見てその日の行程を計画し、その日に泊まる町や村を決めることになるでしょう。


全行程

サンチアゴ=デ=コンポステーラへと続く巡礼路はいくつもあります。
大きなルートでは、ここで紹介する「フランス人の道」・海沿いを行く「北の道」・南から北上する「ポルトガルの道」の3つのルートが有名です。

フランス人の道はサン=ジャン=ピエ=ド=ポーを出発してサンチャゴへとたどり着くまで
「799km」です。

このルートはパリなどの各地からずっと続いているもので、ポーランドから歩いてきた、というすごい人もいました。
私たちはパリとサン=ジャン=ピエ=ド=ポーの間、ボルドーの北にあるブレイユという町から巡礼路に入りました。    → 「巡礼者ピルグリムになった日

目的地サンチアゴ=デ=コンポステーラの先がある

巡礼の旅の目的はサンチアゴ(聖ヤコブ)のお墓にお参りすることですが、巡礼路はその先まで続いています。

サンチャゴからさらに西へ進むと海に出ます。大西洋ですね。
そこにMuxia(ムシア)とFisterra(フィステーラ)という町があり、巡礼路はそこまで続いています。どちらの町を先に訪れても構わないそうです。

そこでもサンチャゴとは別の巡礼証明書がもらえます。私たちはそこまで行きましたが、証明書はもらいませんでした。

ムシアとフィステーラにはピエドポーなどからサンチャゴまで歩き通した人が多くいました。しかし印象としては観光地のような雰囲気が強かったです。

サンチャゴの近くになるとみんなで歌を歌ったり、飛び跳ねて歩いたり、道行く人とハイタッチで挨拶したり、大きな祖国の旗を掲げて歩く人たちが多くいます。
到着を喜んでお祭り気分になる人がたくさんいるわけですね。
そういった「やり遂げた」気持ちの後に行くムシアやフィステーラは、「自分へのごほうび」のような気持ちが生まれても不思議はありません。
もちろんそれらの町でも信心深い人々が教会へ行くのを見ましたし、フィステーラの岬では日本の盆送りのような火があちらこちらで焚かれていました。
感じ方は人それぞれですが、私たちの印象はサンチャゴまでの道のりに比べると「バカンス」の要素が強く感じられるものでした。


一日の流れ

巡礼者たちの一日は人それぞれといっても、ある程度同じような流れができるものです。
朝早く起きて支度をすませたら出発。サンチャゴに向かって歩き、アルベルゲなど夜の寝床に到着。眠り、翌朝目覚めたらまた歩く。
そのサイクルを大きく外れる巡礼者はほとんどいませんし、そのサイクルを毎日続けるということにも巡礼の大きな意味があると思っています。

ではどのようなサイクルなのか、具体的に紹介します。


☆ 2日目の朝 岩山に沈む月
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私たちは夏の巡礼路しか知らないので、夏の一日について紹介します。


早い人は5時や6時といった時間から起き始めます。
もっと早い人は4時くらいに出発する人もいます。日中はとても暑くなることがあるのでそれを避けて歩きたい人や、アルベルゲがいっぱいになってしまう前に宿に入りたい人などがそうでした。
6時と6時半に目覚ましをかける人が多いので、少しずらすとトイレ待ちをしなくてすみます。
だいたい30分くらいで支度をして出発していきます。
朝ご飯を用意してくれるアルベルゲでは時間を確認しておくと良いですね。6時からというところが多かったですが、それより早い時間に出発したいときには自分で朝食を用意する必要がありますし、私営のアルベルゲには朝食は7時からというところもありました。
巡礼者も朝食については様々で、朝は何も食べずに出発して8時くらいにカフェで食べるという人もいれば、前日に用意しておいて起きてからすぐに食べて出発するという人もいます。
午前中はたくさん移動することになるので、朝食は大切です。

朝の支度のときはまだ暗い場合があります。部屋が大部屋だと明かりを点けないで準備をするので、忘れ物に注意しましょう。
私たちは2日目にして大事なものを忘れた人のために奔走しました。
頭に着けるヘッドライトがあると便利ですね。

私たちが経験した限りでは、自転車旅の人は歩きの人よりも遅く出発するのが常でした。
朝早くに風を切って走ると冷えるというのもあるとは思いますが、暗いうちに出発をするのは危険だからというのが一番の理由でしょう。
巡礼者たちの歩く巡礼路の多くは車道とは分かれていますが、自転車は車道を走ります(別のところで述べますが、一部の自転車は歩きの巡礼道を走ります)。朝早くはまだ暗く、車の運転手は寝ぼけ眼です。
自転車は歩きの人よりも長時間走り続けやすいというメリットもあり、あえて危険な早朝には走らないのが慣例となっているようです。
それにアルベルゲは歩きの人優先なので、自転車は遅く出発して遅くたどり着くというやり方をする人が多いようです。
私たちも朝は8時くらいに遅れて出発し、3時過ぎまで走ることが多かったです。


・出発
アルベルゲを出発すると多くの巡礼者と出会うでしょう。
一つの町に複数のアルベルゲがあることが多いですし、進むペースによってばらばらになっていく巡礼者たちも朝が一番まとまっているからです。

出発前にはストレッチなどの準備運動をすると、一日の疲れも、次の日の回復も大きく変わってきます。
ほんの5分程度の準備運動で数時間分の疲れを抑えられるのですから、やっておいて損はないでしょう。

道に迷うポイントはいくつかありますが、朝は最も道に迷いやすい時間の一つだといえます。
長い巡礼路のうち町から町へと続く道ではひたすら一本道という場所が多くあります。でも町の中では道はたくさんあり、巡礼路に乗って町を出るまでは分かりにくいことがあります。
もしアルベルゲに到着した後に余力があるようでしたら、次の日の道を確かめておくことをお勧めします。


☆ スペインの大地に巡礼路が続く
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・午前中
巡礼者たちは主に午前中に多くを歩きます。
大抵のアルベルゲは12時か11時には入ることができます。
夕方までめいっぱい歩く巡礼者もいますが、お昼くらいになると一日の行程を終えてカフェやレストランなどでくつろぐ巡礼者たちを多く見かけるようになります。

歩いている最中、あるいは自転車で走っている最中のスタイルは様々で、数人でおしゃべりしながら歩く人もいれば、ずっと音楽を聴きながら歩く人もいます。その日の宿を待ち合わせ場所に決めてばらばらに歩く仲間たちもいれば、列になって同じペースで歩く人たちもいます。

旅のペースが同じくらいだと、毎日アルベルゲで一緒になる、ということも多くあります。
すると自然と話をして仲良くなったりもするでしょう。
日本ではまだあまり多くの人が知っているわけではない巡礼路ですが、キリスト教徒の多い国からすれば世界中から数多くの巡礼者たちが集まる夏の一大祭典のような盛況振りでした。スペインの辺境の土地に似つかわしくないほどの数の人々が赤茶けた荒々しい土地の一本道をずんずん一方向へと歩いて行く様子はなかなか希有な光景でした。
それほど多くの人々が集まり、同じ目的をもって毎日顔を合わせれば、心を通わせる仲間もあちらこちらでできていきます。
それをきっかけに生涯親友となったおじいさんたちに巡礼路以外の土地でも出会いましたし、巡礼路で出会って結婚したという夫婦にもいく組か出会いました。実際それを目的に来る若者もいるそうです。(いました。)

巡礼路は長く険しい道のりでもあるので、様々な決意や想いがあってやってくる人が多くいます。
その中の一人として同じ道を旅しながら何かを感じたり考えたりすることのできる、午前中の瞑想のような歩行・走行の時間は大変価値のある時間だと思いました。


・お昼

正午頃になるとアルベルゲにチェックインする巡礼者たちが現れ始めます。
午前中の内にその日予定した距離を歩き、午後はゆっくり過ごすのです。
過ごし方は様々で、カフェでおしゃべりをしたり、洗濯をしたり、昼寝をしたり、観光をしたり、聖書を読んだり、瞑想をしたり。
日記を書くという人が多かったのが印象的でした。
もちろん午後も夕方まで旅を続けるという人もたくさんいます。
ただしこの辺りから少しずつベッドが埋まっていくので、しっかりと休みたい方は早めに目的地へ到着するように計画を立てると良いと思います。

お昼ご飯は朝のうちにサンドウィッチのようなランチセットを作っておいて、木陰や休憩所などで食べるという人が半数くらいいて、残りの半数はカフェで食べます。
実はこの巡礼路の大きな困りごとの一つが「トイレがない」ということです。
「ない」わけではありませんが、基本的に男性はそこら辺の草地ですませていました。女性でも草地ですませる人は少なくないのですが、やはり私はちょっと……という女性も数多くいます。
日本ではコンビニエンスストアがよく利用されますが、巡礼路でその役割を大きく担ってくれるのがカフェです。
カフェは日本のカフェのイメージとは少し違って、もっと生活の身近にあり、気軽に飲食をすることのできる場所です。江戸時代のお茶屋さんもこんな感じだったのでしょうか。
そんなわけで女性はお昼にトイレを使うことのできるカフェで食事をすることが多くあります。


・うっかり忘れると大変なときもあるシエスタ
シエスタという言葉は日本でも使われ始めましたね。
国民のお昼寝習慣ともいえる昼の休憩時間ですが、フランスにはなかったのでスペインに入って驚きました。
町やお店によってその時間はまちまちでしたが、だいたい13時から16時くらいまでお店などが休憩時間になってしまいます。
私たちの巡礼の1日目のお店は夕方5時まで、2日目は夕方6時までシエスタでした!
なので食材を買いたくても夕方まで買えない、ということがよくありました。
ちなみにスーパーマーケットは日曜日にはみんな(一部をのぞいて)休みになってしまうので、「魔の日曜日」と呼んで恐れていました。

日本の便利すぎる生活に慣れてしまっているという方は、このシエスタの習慣になるべく早く順応するようにできるといいですね。


☆ 牛追い祭で有名なパンプローナの町
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・アルベルゲに到着
お昼から夕方にかけての時間、一日の行程を進み終えたらアルベルゲに入ります。
アルベルゲではスタンプを押してもらい、必要であれば料金を支払います。
これでようやく荷を下ろし、一日の旅程を終えることになります。

荷を下ろしたらシャワーを浴びたり夕飯の準備をしたりします。
お風呂が先? 夕飯が先? は、人それぞれですが、多くの人がやるべきことは
・食料の買い出し
・シャワーを浴びる
・夕飯(+明日の朝食)の準備・夕食
・明日の計画
・日記を書く
というようなことです。
できればこの日のうちに明日進むべき道(町の出口など)を見ておくと、次の日の朝に迷うことなく出発することができます。

日記は書かない人もいるかもしれませんが、ぜひ書いておくことをお勧めします。

きっとこれらのことを全部終える頃にはくたくたになっている頃かと思われます。到着したときにもくたくたでしょうから。
なので到着してからまずひと眠りする、という人が3分の1くらいいました。
くたくたになってさあ眠りの夜。でも、この後にイベントが用意されている場合があります。
「巡礼者の夕べ」です。


・巡礼者の夕べ
これは教会や修道院などの宗教施設に泊まるか、あるいはそこへ足を運ぶことで参加できるイベントです。
正式な名前はよくわかりません。「巡礼者の夜の祈り」というような名前で呼ばれることが多かったように思います。
内容はミサに似ています。(ミサと呼ばれるものもありました)
教会や礼拝堂に集まり、歌うように祈りの言葉を言ったり、司祭さんのお話を聞いたりします。
言語はスペイン語であったり英語であったりドイツ語であったりと、巡礼者たちが多言語多国籍であることを踏まえて、なるべく誰にでも得るものがあるようにと配慮がなされていることが多いです。
私とカタリはキリスト教徒ではありませんが、この集いは非常に興味深く、また心が洗われるような温かいものでした。
いくつものアルベルゲで紹介をしているので、もし機会があればぜひとも参加してみてほしいです。

もちろんこれは任意のもので押しつけがましいことは言われたりしません。私たちも疲れているときには参加せずに寝てしまいましたし、初めのうちはなんだか分からずに参加しませんでした。
参加費などはかかりません。ただ、多くが9時から始まって30分から1時間くらいかかるので、眠たくなってしまいがちです。もう少し早い時間だと嬉しいのですが。



・消灯時間
巡礼者の夕べがないときなどは9時くらいには部屋の明かりが消されます。
これは部屋の巡礼者たちがお互いを気遣い合って消すもので、先生が見回りに来て消すものではありません。
宿に入るときに消灯時間を説明される場合もあります。

巡礼者の夜は早いです。なかには遅くまでレストランにいる人もいますが、お互いに気を遣い合っているのでバックパッカーたちが使う安宿にときたまあるようなどんちゃん騒ぎの雰囲気はなく、慎ましやかな雰囲気の就寝となります。

しかし、この後大変騒がしくなる場合があるのですが、それは悪意のない「いびき」です。
一日中体を使うからか結構激しい人が多く、これを理由にアルベルゲには泊まらないという人も何人かいました。
疲れているから気にならない、という人も多いですが、気になる方は耳栓などで対応策をとると良いと思います。


一日を通してみると

6:00~6:30   起床
7:00(8:00)   出発
12:00     昼食
12:00~16:00  アルベルゲ到着
16:00~20:00  買い物・シャワー・夕飯・計画・日記
21:00     就寝
(21:00~22:00 巡礼者の夕べ)

といったものが、よく見かけられる巡礼者の一日の流れでした。


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「カタリーナの忘れ物・かわいらしい丘の町シラウキ」

  カミーノ 2日目
 (ここからは日記です)

☆ ズビリからパンプローナを経てシラウキへf:id:miraluna:20180305154322p:plain


大変だったの。
この日の午前中は。

朝、みんな早い時間に出発していきました。私たちは 8:00前に出発できればいいかなって、昨日仲良くなった中国のお姉さんドゥアンとゆっくりしていたの。
荷造りもみんなすませてそろそろ出発しようとしたときに、カタリが部屋から2つの小さなポーチを持ってきました。
「ドゥアン、君のか?」って。
ドゥアンはきょとんとして、「私のじゃない」って言ったの。
私たちはみんなすぐにぴんときたわ。これは誰かの忘れ物に違いないって。

ちょっとはばかられたけど私たちは2つのポーチの中身を開けてみました。もしかしたら電話番号が書いてあるかもしれないから。
開けてみると聖書やお守りと一緒に、束になったお金とサンチャゴからドイツまでの航空券が出てきたの!
大変。
航空券に書かれていた電話番号に電話をかけてみたけれど持ち主の番号ではないみたいで、持ち主の名前がカタリーナだっていうことだけがわかりました。
アルベルゲの管理人は昨夜のうちに家に帰ってしまっていて、たまたま来た郵便屋さんに訊くと9時に来るということでした。
もしかしたら自転車で行けば間に合うかもしれないと考え、ドゥアンには9時までそこにいてもらって、私とカタリでカタリーナを追いかけました。
先回りをして自転車を置いて巡礼路を逆向きに走ったのよ。

昨夜一緒の宿に泊まっていた人たちと次々にすれ違いながらカタリーナについて尋ねて回りました。みんな私たちのことを知っているから、前から(サンチャゴ側から)私たちが現れるものだからびっくりしていました。その中の数人がカタリーナのことを知っていて、彼女がずっと後ろにいることが分かったの。
それから宿にいたほとんどの人とすれ違いました。
昨夜ドゥアンと一緒にずっとおしゃべりしたべぺや、イタリア青年のマッティア。彼は昨日自転車のチェーンが切れてしまって、ホアンというイタリアの男の人と一緒にそれぞれの自転車を押していました。その後ずっと(少なくともブルゴスまでは)2人は一緒に行動をしていました。こうやって旅の途中で仲間になって一緒に行動をする人が数多くいます。パーティを組む、というそうです。
べぺは私たちとしばらく一緒にいてくれたけど、カタリーナは見つかりませんでした。途中にあった小さな礼拝堂でボランティアをしている親切な女性に事情を話して、カタリーナが来たらアルベルゲに戻るように伝えてもらいました。
10時を過ぎていたので、ドゥアンも出発しているはずです。
「カタリーナ、やってくれるよ」とあきれ顔を見せたカタリはおせっかいをやくのが少しうれしいようにも見えました。


カタリーナを見つけられなかったことと、ドゥアンに遅れをとらせてしまったことを悔しく思いながらも、私たちは牛追い祭で有名な大きな町パンプローナを過ぎ、順調に巡礼の道を進みました。
パンプローナの町のインフォメーションセンターでは巡礼者の証(クレデンシャル)にスタンプをもらいました。

☆ プエンテ=ラ=レイナのきれいな橋
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正午すぎにプエンテ=ラ=レイナという町に着くと教会の横に大きなアルベルゲ(教会の敷地内?)があって、たくさんの巡礼者たちが足を休めていました。どうやら彼らはここを今夜の宿にするようです。このときにはまだ巡礼者たちの一日の行動時間を知らなかったので、お昼に到着しているのを不思議に思いました。


☆ カタリ「今夜はあの町に泊まろう」
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スペインの乾いた土地を進んでいきます。
午後になって遠くに小高い丘のような町が見えてきました。てっぺんには教会。まるで童話に出てくるような町です。
カタリが「宿があれば、今夜はあの町に泊まろう」というので、丘の町へと向かうことになりました。

☆ 町の入口のアーチ
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町の中に入ると遠くから見たときよりももっと童話の中の町みたい。広大な土地にぽつんとある小高い丘がそのまま町になっているので、どこもかしこも坂道だらけ。
家々は薄赤い土色の石でできていて、どの路地も細くて不思議な雰囲気。


☆ シラウキの町
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町の名前は「Cirauqui シラウキ」。猫と坂道だらけの絵本の中のような丘の町。

☆ この写真にも猫が2匹います。見つかりましたか?
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嬉しいことにシラウキの町には一軒だけアルベルゲがありました。
私たちはぐるっと螺旋状に町を回って(迷って)頂上にあった教会広場に着いたとき、目の前にあったのが小さくてかわいいアルベルゲでした。
なんて幸運なのかしら。
エキゾチックなお姉さんにスタンプを押してもらい、無事宿に入ることができました。

町は30分あればぐるっと全部見て回れるくらいの大きさでした。歩いてすぐ(町中どこもそうですが)のところにあるスーパーマーケットという名前の小さな商店は、シエスタが終わるのが18:00だというので(つまり午後は18:00開店ということ)、私たちは町中を散策して、たくさんの猫を見かけました。
歩いてみても本当に素敵な町でした。

☆ 宿のテラス
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アルベルゲのテラスで夕食を食べてからドゥアンに連絡をとると、なんとカタリーナと出会えたそうです。でもドゥアンは足を痛めていて、今日は礼拝堂のようなところに泊めさせてもらうそうです。
後日ドゥアンはペースを上げて、べぺと再会したそうです。

☆ シラウキの頂上にある、宿の前の教会
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そしてなんと、陽が落ちてからテラスの私たちに向かってかけられたのは元気いっぱいの「アミーゴ!」の声。
声の主はイタリア青年マッティアでした。
彼はホアンとパーティを組んで、パンプローナで無事自転車を修理することができたそうです。うれしそうにはしゃいで、チェーンカッターと予備のチェーンリンクを見せてくれました。

宿にはもう一人自転車旅のおじいさんがいて、少しお話してからその日は眠りました。


明日の日記


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