Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

「万有斥力の法則」 私たちは皆、はぐれた相手を探し求める存在 !?

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磁鉄鉱です。英名はMagnetite。

マグネット、磁石の自然界での姿ですね。


磁石というのは引きつけたり、押し離したりする力がありますよね。
引きつける力は「引力」。押し離す力は「斥力(せきりょく)」というそうです。


ここで視点を地球から外に出して、宇宙空間でのできごとを見てみましょう。

宇宙の空間。そこに空気はありませんよね。では何もないのでしょうか?
いいえ、何もない空間は「幅」をもちません。もし幅のない空間が存在したら、それはたちまち空間として存在しなくなってしまうでしょう。なぜなら「幅」がないのですから。

宇宙空間にはガスや物質も存在していますが、今回はそこで起きている現象の一つ、「対生成」と「対消滅」に注目してみましょう。



☆ 対生成と対消滅

私たちの住む地球、その周りにある太陽や月。あるいは地球の山や海、動植物や私たち人間。それらは物質ですが、その物質はどこからやって来たのでしょう。どのようにして生まれたのでしょう。
宇宙のあの真っ暗な真空の空間では、実はおびただしい数の物質が瞬時に現れては消えています。現れては消え、現れては消え、ということを繰り返しています。

◆でも、無から突然何かが生まれることなんてあるのかな?

◇それは、0から1が生まれているのではないのです。0から「1」と「ー1」に分かれているのです。

宇宙空間において、ほんのわずかな量の物質がぽんと現れると同時に、同じ量のマイナス物質(反物質)もまたぽんと現れます。
これが「対生成」と呼ばれるものです。

◆そうしたら、宇宙は物質であふれてしまうのではないかしら?

対生成によって生じた物質と反物質は、現れた次の瞬間にお互いが結びついて打ち消しあってしまいます。
(+1) + (-1) = 0 ということになるのです。
こうして現れた物質と反物質は、次の瞬間には消滅します。
これが「対消滅」と呼ばれるものです。

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対生成と対消滅のイメージ図


しかしどうしたことでしょう! +-で同じ質量のはずの物質と反物質は、対生成と対消滅を繰り返すうちに、わずかに+である物質のほうが「あまる」そうです。
そのあまった物質が、現在存在する惑星や私たちのような「物質」の起源だとする説もあります。

私は「あまった」のではなく、「まだ」出会うべき相手に出会っていないだけなのだと考えています(お年玉をもらう身で生意気言ってごめんなさい)。
生成してから消滅するまでの一瞬に何かが(宇宙線に流されたとか、ニュートリノと衝突事故を起こしたとか、宇宙風にさらわれたとか [童話風脚色です])起きて、相手とはぐれてしまったのではないのでしょうか。
つまりこの世界に「物質」として存在している私たちすべての存在は、出会うべき相手とはぐれてしまい、いまだに相手を探し求める存在なのではないでしょうか。
うっとりするほどロマンチックな仮説ですね。

この仮説を前提として考えた場合、この宇宙に存在する物質量と、ダークマターとも呼ばれる反物質量とは、同じであることになります。



☆ 万有斥力の法則

磁鉄鉱のような鉱物に限らず、物質はすべて引きつける力をもちます。「万有引力の法則」ですね。
磁石の場合、引力と斥力ははっきりしていますが、一般的な物質同士では斥力というものははっきりと確認されないものだと言われています。

ここからはまた私個人の仮説です。

宇宙の起源と言われているビッグバンは爆発的な速さであらゆる物質を遠ざけました。その広がりゆく空間の中では、物質同士が重力・引力によって引きつけ合っています。
やがてビッグバンは収束し、再び一点へと還り、さらにマイナス側へとビッグバンを起こすのではないかという私の考えはまた別の話で、ここでは各物質の「個」という性質を見てみましょう。

Ein Stein。A Stone。一つの石。
石は石で在ろうとします。砂にもならず、FeにもOにもならず、磁鉄鉱磁鉄鉱で在ろうとします。それは原子同士、あるいはもっと小さな物質同士をつなぎとめようとする力がはたらいているからに他なりません。
そうでなければ、石はたちまち砂塵よりも細かな粒子となって気化してしまうでしょうから。

では一つの石と一つの石を合わせれば、たちまちそれは物質同士引き合って一緒になるかといえば、そうはなりませんよね。
そこには一つの石を一つの石たらしめようとする力、他と容易に混ざり合わない力がはたらいています。その力は引力と反対の斥力だと考えることも広義にはできるでしょう。
一つの石が一つの石で在ろうとする力。物質のもつ「個」という性質。
そこには引力と同時に斥力もまた必要な要素となります。
万有に引力が「必要」であるように、万有には斥力もまた必要なのです。それがなければたちまちすべての物質は「個」を保持することができなくなり、混ざり合い、いっしょくたになってしまうでしょう。「カオス」と呼ばれる状態です。
するとビッグバンが起きても、「一点」が「大きな一点」になるにすぎませんし、それを相対的に測る物が存在しなければ、ビッグバンが起きても起きなかったのと同じことになってしまいます。
ビッグバン後の宇宙の「冷え」とは、引力と斥力という二つの力の対生成と言うこともできるかもしれませんね。

このような私的な仮説を前提と考えた場合、万有に引力が存在するのと同時に、万有には斥力もまた存在することになります。
「万有斥力の法則」というわけですね。



☆ これらはすべて私の拙い思考実験にすぎません。
学術的な事実に基づいたものではありません。

ただ、ミラが直した家庭用プラネタリウムの星空を見ながら、あれやこれやと想像するのが好きなんです。

磁鉄鉱の話でした。