Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

日帰りで異世界へ

Mira

ミラです。
私、普段は家の中にいることが多いけど、森の中とか山を歩くのは好きなの。

休みの日にルナがお友達と出かけちゃって退屈だったから、近く(それほど近くもないけどね)の山に連れて行ってもらいました。

さあ、到着です。

いつもと違う風景。いつもと違う匂い。

これから新しい場所へ行って、新しいことが始まると思うとわくわくする。いつもの日々が嫌いなわけじゃないけどいつもの日々を遠いところに置いてきて、真新しい感覚で知らない土地を歩いて行く。
まるで新しい自分が始まったみたいに。
この新鮮な気持ちが好き。
ルナはカタリとの旅の間、ずっとこんな気持ちになってるのかな。


それでは登山靴に履き替えて出発しましょう。



山の裾野は昔から続く日本の田園風景が広がります。
水田の中のあぜ道を歩いて行けば、今がいつの時代なのか比較するものがないからいろんな想像が膨らむ。戦時中に疎開した先の田園? 昔話のおじいさんとおばあさんが暮らす山村? 源氏物語のような和歌で恋を歌う都の外れ? それとも妖怪たちの棲む山々? 
どの時代もこんな風景だったのでしょうね。



水田を抜けると登山道は山林の中へと入っていく。
沢が流れていて、その沢に沿って道が続いているの。

この日は暑かったから沢の近くは涼しくて気持ちがいい。水のさらさらと流れる音も涼しい気分にしてくれます。


悠久の時や、ジブリの『もののけ姫』を感じさせる岩。
ルナに教えてもらったんだけどこの辺りは花崗岩という岩が多くて、昔マグマだったものが冷えて固まったんだって。でも火山ではなかったみたい。まだこの辺りが海の底にあった頃、地中でゆっくり冷えて固まったんだって。ルナってほんと、石が好きよね。



ここからちょっと大変だった。
沢を上がって山頂が近づいた頃には汗びっしょり。
普段あまり運動しないのもあるけど、この日はとにかく暑かったの。飲み物をたくさん飲んだけど、汗でどんどん体から水分が出ていく。みなさんも脱水や熱中症には気を付けてくださいね。


そしてついに……。

山頂に到着!

日常とは遠く離れた世界。まるで異世界に迷い込んだかのよう。
山の面白いところのひとつは、この「別世界感」ね。
達成感もあるけれど、私が好きなのはこの異世界に来たような感覚。
それもとっても美しい異世界

空に近くて、遠くまで見渡せて、緑の草の上、人の暮らす町から遠く離れた静かな場所。

堪能しました。


あざみとあげは。


日常もちょっと足をのばせば別世界になる。

森の小路。

ね、ここも異世界みたいじゃない?

でもどんな素敵な異世界も、ちょっとの行動力とちょっとの想像力で現実世界に存在して、日帰りで出かけられるのよ。


流れるマグマが固まったような岩。
名前は「バウムクーヘン岩」で決まりね。
もしかしたら火山岩ではなくて変成岩かもしれない、なんて難しいことをいうお姉さんもいるけれど、私にとってはバウムクーヘン岩に間違いないわ。


帰り道は、来た道とは別の道を通りました。
たとえ明日からまた学校だとしても、今日は別世界に過ごす休日。


人里へと下りてきました。
ここはもう異世界ではないけれど、それでもまだタイムスリップした世界のよう。


ゴールでは猫がお出迎え。


「あっちの世界はどうだったかにゃ?」
「素敵だったわ」
「現実の世界も悪くないにゃろ。だってあの異世界だって、確かにこの現実世界の中にあるんだから」って。


猫のくせに生意気よ。