Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

Bejaの町へ向けて山と荒野の旅路。パンクは女神の思し召し。ポルトガル自転車旅11日目。

f:id:miraluna:20200506192611j:plain:w100 Luna

自転車の旅ポルトガル編14】
保護者のカタリと一緒にヨーロッパを自転車で旅しました。これはポルトガルでの旅の軌跡です。
             🏰目次へ🏰
f:id:miraluna:20200521181050j:plain
ポルトガルの旅路11日目
モンテモア(Montemor-o-Novo)からベジャ(Beja)へ。

 11日目の道のり
f:id:miraluna:20200707184942p:plain
アイルランドの島を巡り、自由の国フランスを南下し、巡礼者ピルグリムとなってサンチャゴ=デ=コンポステーラまでの巡礼路を往き、ポルトガルを旅してきた私と保護者のカタリ。2日前にミラ山を越えた辺りから砂漠っぽい土地に入りました。今日もポルトガルの山と荒野を自転車で旅します。

☆ さようならモンテモアの町
f:id:miraluna:20200707192817j:plain
昨日の夜は空中の穴倉のような不思議な構造の宿に泊まり、つい面白くて夜更かししちゃいました。
今日もいい天気。荷物を積み込み、宿の女将さんに別れのあいさつをして、朝の町を出発しました。モンテモアの町は、砂漠のような土地のオアシスのような素敵な町でした。お城も宿も、魅力的だったな。
町の中は石畳だったので、町を出るまではゆっくりと進みました。

町を出ると霧のかかった山に入りました。山はとてもきれいでした。
霧の山を越えると洞窟の町に到着しました。洞窟へは予約をしないと入れないらしいので、オフィスにあった展示品を見て諦めました。洞窟に行ってみたかったけれど、もし行っていたらこの日は宿に泊まれず、野宿になっていたかもしれません。ここ数日はとても暑いので、できれば毎日シャワーを浴びたいな。

☆ 霧が晴れた
f:id:miraluna:20200707185115j:plain
洞窟の町から山を下ると、霧が晴れました。
今日も暑くなりそうです。

☆ まっすぐな道
f:id:miraluna:20200707185302j:plain
ここからは広い広い荒野の中を、ひたすらまっすぐに進み続けます。
私、こういう広い土地をまっすぐに延びる道って好きです。遠くまで見渡せて、どこまでもずっと走って行けそう。北海道の真っすぐな道とか憧れます。車も人も誰も通らない道を、自分たちだけで独占しながら走っていくと、まるで絵に描いた世界にいるみたい。

☆ 広い広い土地
f:id:miraluna:20200707185449j:plain
広い土地が続きます。車もめったに通りません。休憩する木陰もないの。日が高くなるにつれ、気温が上がっていきます。広い土地の一本道は素敵だけれど、あつーい。

☆ 乾いた土地
f:id:miraluna:20200707185631j:plain
この辺りは土地が乾いていて砂と低木ばかりだから、生活していくのは容易ではなさそう。人々は小高い丘に町を作って、そこで寄り添うようにして生活しています。こういう土地でも旅をすることができるというのは、一日に多くの距離を進むことのできる自転車旅の利点ですね。歩きの旅では次の町まで数日かかってしまうもの。でも、そんな旅にも憧れるなあ。

☆ いちじく
f:id:miraluna:20200707194037j:plain
道端に木陰を見つけたので休憩しているとき、カタリが野生のいちじくを見つけました。スーパーで売っているのよりもずっと小ぶりです。カタリが熟しているのを選んで取ってくれたので食べてみました。もう、びっくりです。こんなにおいしいいちじくは初めて食べた。普段食べるいちじくよりもずうっと味が濃厚で、とっても甘いの。2~3個ずつしか見つけられなかったけれど、感激のおいしさでした。

☆ 池がある所も
f:id:miraluna:20200707185805j:plain
広い荒野には湖のような池が広がっているところもあります。そんなところは動物たちにとってもオアシスで、いろいろな動物たちが集まっています。大抵は家畜の牛や馬。他にも犬たちや、鳥たち。フラミンゴの群れを見たと思うんだけど、ポルトガルにフラミンゴはいるのかな?

☆ 岩山が遺跡のよう
f:id:miraluna:20200707185924j:plain
遠くに見えるのは岩山でしょうか? それとも古代のお城の遺跡? 見慣れない気候の土地に想像が膨らみます。
かつてはこの辺りの領主のお城だったけれど一族は何かの理由で家督が継がれず滅びてしまった。その後砂漠の盗賊団が根城にして近くを通る旅人を襲っていたけれど、町の娘がさらわれたとき、有志の討伐隊が立ち上がって盗賊たちを討ち倒し、それ以来誰も住まなくなった古城は廃墟となってしまった。そしてそれを今、私たちが旅の途中で目にしている......。そんな夢想をしながら自転車で走りすぎました。もちろん討伐隊の中にいた青年とさらわれた町娘は恋に落ちるお話です。

☆ Torrãoの町
f:id:miraluna:20200707190122j:plain
ようやく小さな町に辿り着きました。太陽と低木と乾いた土ばかりの荒野をずっと走っていると、町に着いたときほっとします。Torrãoの近郊でお昼ご飯を食べ、次の町Odivelasを通り過ぎます。そのすぐ先でカタリが自転車を停めたのでどうしたのかしらと側に行くと、パンクしたとのこと。見るとカタリの自転車の後輪がぺちゃんこです。

☆ パンク修理
f:id:miraluna:20200707192642j:plain
自転車旅にパンクはつきものです。長旅ならば避けては通れないトラブルなので、対処できるようにしておく必要があります。私たちはいつでもパンク修理のキットと空気入れを持ち運んでいるので、旅の途中でパンクをしたらすぐに修理をします。
このときも近くに木陰を見つけて修理しました。原因は分かりやすい大きさの植物の棘が刺さっていたようです。
暑い中の修理で、手洗いなどに水もたくさん使ってしまいました。(私は木陰で休んでいました。)

☆ ベリンジェルの町
f:id:miraluna:20200707190322j:plain
でもこのときのパンクは悪いことばかりではなかったんですよ。パンク修理のときに私の自転車の空気圧がずいぶんと下がっていることに気が付いたの。毎日チェックしてるんだけど、どうしてかしら。空気圧が下がると抵抗が増えて自転車をこぐと重たくなる。だからなかなか速度が上がらない。カタリの自転車もパンク修理のあと、すごく調子が良くなったらしいから、きっと空気が減っていたのでしょう。そのおかげで目的の町まで2時間かかる見込みだったところ、1時間半で着くことができたんです。ここからはさらに暑くて水も少なくて大変だったから、早く到着できたことはありがたかった。パンクをしたからこそ、助けられました。きっとこれは旅の女神さまの思し召しね。フェレイラの町で水とジュースを補給して、ベリンジェルの町を抜ければ、大きな町ベジャはもうすぐです。

☆ ベジャ(Beja)に到着
       f:id:miraluna:20200707191141j:plain:w350
とうとうベジャに到着しました。時刻は16時過ぎ。宿を探す必要のある自転車旅では、遅い到着です。もしパンクをしていなかったら速度が出ないままで、ベジャに着く前に宿を探すか野宿をするかしていたでしょうね。パンクは私たちにとって幸運でした。
宿を探すにはインフォメーションセンターで尋ねるのが良いのですが、町のインフォメーションは夕方5時で閉まるところが多いです。そもそもインフォメーションセンターがあるのか、あったとしても間に合うのか、私たちは少し焦りました。だって、宿が見つからなければ町を出て野宿になるかもしれないもの。今夜は宿に泊まりたいな。
町の中心へと向かっているときにミュージアムを見つけました。まだ開いています。そこでインフォメーションセンターの道を尋ねると、お城の中にあるそうです。私たちはお城へと向かいました。

☆ 立派な姿のベジャ城
f:id:miraluna:20200707191258j:plain
お城は塔のような立派な姿をしていました。すごい。見て回りたい。
城内にはインフォメーションセンターが併設されていて、まだ開いています。私たちはそこで宿の場所と、お城と聖堂に入れる時間を訊きました。
すぐにもお城に入りたい気持ちもあったけれど、まずはベジャの大聖堂へと向かいました。大聖堂で土地の神様にあいさつをし、再びお城へ向かいます。

☆ 城へ続く階段
       f:id:miraluna:20200707191412j:plain:w350
それではいよいよお城へ入ります。まずは入口への階段を登って......。

☆ ベジャ城入口
       f:id:miraluna:20200707191530j:plain:w350
お城の入口です。それほど大きくはない扉ですね。敵の侵入を阻むためなのかしら? それとも外気から守るためかしら? 中には剣と盾を持った騎士の石像がありました。

☆ 石の螺旋階段
       f:id:miraluna:20200707191634j:plain:w350
石の階段はとても緻密な造り。せまい空間をぐるぐると回りながら上階へと続きます。いかにも中世ヨーロッパのお城、という感じね。

☆ 囚われの王女様の居室!?
f:id:miraluna:20200707191755j:plain
上階に行くときれいな窓のある部屋に出ました。まるで囚われの王女様があの石台に腰かけていそうじゃないですか? ぼんやりと窓の外を見やって、ため息をつきながら。

☆ 塔の上から見たBejaの町
f:id:miraluna:20200707191931j:plain
お城の塔の上に出ると、ベジャの町を見渡すことができました。町全体を一望できるくらいの規模だけれど、宿もスーパーもお城もある大きな町。オアシスのような居心地の良さと、白とオレンジを基調とした建造物の美しさがある町。私はすぐにこの町を好きになりました。

☆ 城内探険
f:id:miraluna:20200707192057j:plain
私たちはお城の中をくまなく探検しました。狭い通路や広い暖炉、広間や屋上など、見どころがたくさんありました。歴史ロマンを感じます。

☆ 立派な城壁
f:id:miraluna:20200707192253j:plain
ベジャ城は塔のような本館から中庭を囲んでぐるっと城壁が建てられています。蔦が絡んでお城らしい雰囲気がありますね。石の色や積み方、地衣類がところどころにはびこっているのもいいなあ。

☆ ベジャ城外観
f:id:miraluna:20200707192508j:plain
ベジャ城は城壁の外から見ても立派です。塔の部分と城壁との距離が奥行きを出していますね。
今日、この町に辿り着けて良かった。

☆ 今夜の宿
f:id:miraluna:20200707191023j:plain
お城を堪能した私たちは教えてもらったユースホステルに宿をとることにしました。行ってみると平日なのでお客さんはほんの数人。泊まれることになりました。やったね。

☆ 夕飯の後で
f:id:miraluna:20200707193121j:plain
宿に荷物を置いてスーパーへお買い物。大きなナスと豚のレバーを買って、スープを作りました。キッチンにも誰もいなかったんだけれど、食事の後地元のおじさんが話しかけてきて、カタリはその人とおしゃべりしました。私は夕飯の後片付けをして先に部屋へ。おじさんは仕事で来てこの宿に宿泊していたそうで、カタリは地元のビールをごちそうになったそうよ。写真を見るとstoutって書いてありますね。私、スタウトって知ってます。黒いビールでしょ。アイルランドでさんざんカタリが飲んでいたから、ビールの種類まで覚えちゃった。

☆ ひよこみたいなパン
f:id:miraluna:20200707193001j:plain
これはスープと一緒に食べたパン。ひよこみたいなかわいらしくてへんてこりんな形をしていますよね。

今日はこんな旅の一日でした。それではまた。おやすみなさい。



明日へつづく
miraluna.hatenablog.com

昨日の日記
miraluna.hatenablog.com

             🏰目次へ🏰