Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

簡単 電子工作 🔧 土壌水分センサを作ろう (∂. ∂🎀/

Mira

🎀 簡単ですぐにできる電子工作の紹介 🎀

今回はトランジスタを使った土壌水分センサを自作します。
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 ↑ これ。

目次


簡単なはんだ付けだけですぐに作ることができるガジェット。
プログラムとかは必要ありません。

「土壌水分センサ」とは言ったけれど、いろいろなことに使えるガジェットなの。
例えば......
〇「通電テスタ」電気を通す物質かどうか調べることができる。
〇「水位検知器」水位の変化をLEDの光で知ることができる。
〇「うそ発見器」うそをついてもこれで発見。すぐにばれちゃうよ。
などなど。

それではこれがどういうガジェットなのか説明しますね。

このガジェットはこんなもの

◆電気が通っている時          ◆電気が通っていない時
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下に伸びている二本の足を見てください。
この二本の足がセンサ部で、足どうしがくっつくと電気が通ってLEDが光ります。
足どうしは直接くっつかなくても、上の写真のように電気を通すものがそれぞれに接していると、電流が流れてLEDが光ります。
いろいろな物質にこの二本の足をくっつけてみると、それが電気を通すものなのかどうか調べることができる。つまり「通電テスタ」になっちゃうというわけ。
水に入れても通電するし、汗ばんだ手で握っても通電する。だからセンサの足の長さを変えれば「水位検知器」になるし、手の湿り具合もLEDの光の強さでわかっちゃう。「うそ発見器」というほど嘘は見抜けないけどね。

ガジェットの仕組み

通電をテストするだけなら、電池とLEDだけでもいいわよね。このガジェットのよさはわずかな電流でも感じ取れることと、流れる電流の量によってLEDの光の強さも変わるということね。
そのために使ったパーツが「トランジスタ」よ。
◆ トランジスタ
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トランジスタはわずかな電流を流すだけで、もっと大きな電流をONOFFすることができる。つまりスイッチみたいな役割をするパーツなの。トランジスタを使うことで「わずかな電流でLEDのONOFFをスイッチできる」「電流の量で光の強さが変わる」という二つの特性を得ることができるの。
トランジスタにはNPN型とPNP型という二つの型があって、その型によって回路のつなぎ方が異なります。私が使ったトランジスタは[2sc1815]というNPN型のもの。秋月電子通商さんで20個入り100円でした。
トランジスタには3本の足があって、2本の足の間をLEDを光らせるのに十分な電気(駆動電流)が流れるようにします。でもトランジスタはその電流をせき止めていて、もう1本の足に電流が流れたときだけ駆動電流のせき止めを開放する仕組み。駆動電流を流す2本の足をコレクタとエミッタといい、スイッチとなる1本をベースといいます。

ガジェットの2本のセンサ部を通電させるとベースに電流が流れて、流れた電流の量によって駆動電流が流れます。駆動電流がたくさん流れれば、LEDは明るく光ることになります。つまりセンサ部がよりスムーズに通電したときにLEDは明るく光る。土壌水分センサとして使うのならば、鉢植えの土が湿っているほどLEDは明るく光ることになるわね。

作り方

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 ↑ 簡単な回路メモです。
トランジスタはNPN型。Eはエミッタ、Cはコレクタ、Bはベース。
3.7vと書かれたところが電池のプラス極につながり、GNDと書かれたところがマイナス極につながります。

用意するもの

・LED
トランジスタ(NPN型)
・抵抗器(必要に応じて:LED保護用・誤作動防止用・トランジスタ保護用)
・電源との接続パーツ(ピンソケットとピンヘッダ、コネクタ、スイッチなど)
・電源(単三電池2本と電池ボックス、リチウムイオンバッテリなど)

このガジェットを動かすためには1~5v程度の電源が必要です。私は3.7vのリチウムバッテリを使っているんだけど、単3乾電池1本でも十分動作すると思うわ。多くの乾電池は1.5vだから。でももし乾電池を3本以上つなげて4.5vとかの電圧をかけるときには注意が必要よ。LEDは5vくらいの電圧をかけると壊れちゃうの。もし大きな電圧をかけるときにはLEDを守るための抵抗器をLEDの横などに直列につなぎましょう。抵抗の大きさは電圧によって変えなくちゃいけないけれど、5vならば330Ωくらいがいいと思う(上の回路メモの抵抗器330Ωは別の目的のもの。トランジスタを守るための抵抗器です)。

私は電源の接続にはピンソケットf:id:miraluna:20191220171811j:plain:w100とピンヘッダf:id:miraluna:20191220171826j:plain:w100を使いました。電池ボックスやコネクタを使うと、よりしっかりしたものになりますね。

抵抗器について

抵抗はベースの先の他に、エミッタとベースの間にも入れるのが正しいつなぎ方です。エミッタとベースの間に入れることによって”ベースに電流を流してないのにスイッチがONになっちゃう”という誤作動を防ぐことができます。私は誤作動をしてしまうと困るような目的では使わないので、今回はエミッタとベースの間の抵抗器は省略しています。入れる場合は電源の電圧によりますが、1kΩから10kΩくらいがいいと思います。
ベースの抵抗器は330Ωで作っちゃったけど、3.7vの電源ならば5kΩくらいのほうがいいと思います。5v電源ならば10kΩ程度。この抵抗器は誤作動防止とトランジスタを保護するためのものです。トランジスタはベースに大きな電流が流れるとどんどん駆動電流を流します。そのときパーツ本体は熱を出します。トランジスタは温度が高くなるほど多くの電流を流す性質があるので、熱くなるとより多くの電流を流し、多くの電流が流れるとさらに熱くなり、どんどん過熱します。これは熱暴走と呼ばれる状態で、トランジスタに触るとやけどするくらい熱くなって、ついには壊れてしまいます。私もやったことがあるの。怖かったな。
そのときの様子→ モーターの正転と逆転(反転)の制御をする回路を組みました。うまくいったけどトランジスタが熱暴走してさあ大変。 - Mira&Luna's nursery lab

はんだ付けをしよう

さあ、ここまでいろいろな説明をしてきたけれど、作るのは簡単です。
この写真のようにはんだ付けするだけ。
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◆ トランジスタの足の配置
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つなぎかた
.コレクタにLED(必要なら保護用抵抗器も)をつないでプラス電源につなぎます。
 LEDは足の長いアノードを電源側に、足の短いカソードをコレクタ側につなぎます。
.エミッタをマイナス電源につなぎます。
.ベースに抵抗器(5k~10kΩ程度)をつなげて先をセンサとします。
.プラス電源とLEDの間から導線を分岐させてセンサとします。

これで完成。


簡単でしょ。(∂. ∂🎀y

◆ 濡らしたスポンジに挿してみたところ
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はんだ付け環境とパーツがあれば簡単にできちゃう電子工作「土壌水分センサ」の紹介でした。

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