Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

ついに旅の終着地「タリファ」へ🌅 アフリカ大陸が見えた......

アンダルシア地方編】ヨーロッパ自転車

                          🌈今日の旅路🌞
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アンダルシア地方「5日目
ついに旅の終着地タリファへ。海の向こうにアフリカが見えた。
ベヘル・デ・ラ・フロンテラからタリファまで。

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🌞アイルランドから
思えば私たち、アイルランドから旅を続けてきたの。
日本の成田を出発してから、この旅の出発の地はアイルランドの首都ダブリン。ダブリンからアイルランドの南半分を周って、
アイルランドの旅へリンク
フランスを縦断して、
フランスの旅へリンク
巡礼者ピルグリムになってサンチャゴ=デ=コンポステーラまでの巡礼をして、
カミーノ聖地巡礼の旅へリンク
ポルトガルを越えて、
ポルトガルの旅へリンク
今こうしてアンダルシアの地を旅しているんです。

その旅ももうじきおしまい。私たちはスペイン最南端の「タリファの町」を、この旅の終着地にしようと決めたのです。
そしてタリファの町は、今日、到着できる距離にあります。


アイルランドの景色
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🌞 アンダルシアの白い町を去る
昨夜泊まったベヘルの町は本当に素敵な町でした。丘の上にある町で、白くてかわいらしくてエキゾチックで、オムレツも美味しかったし宿も居心地が良かった。部屋の窓からは白い町が一望できて、夕方と夜と朝で町の色がまるで違うの。本当に素敵な町だったなあ。


☆ 朝のベヘルの町
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少し名残惜しいけれどベヘルの町を出発します。
部屋を出て宿の入口へ行くと、宿のおじいさんが私たちの自転車をガレージから出して待っていてくれました。昨日、「もしかしたら朝早くに出発するかもしれない」とカタリがおじいさんに言ったので、それで待っていてくれたみたい。待たせてごめんね、おじいさん。
町を出るときには、どの道が目的の方角へと続いている道なのか迷うことがよくあります。でもこの日はおじいさんが丁寧に教えてくれたので迷うことなくベヘルの町を出発することができました。おじいさんはスペイン語で話して、私たちはスペイン語を話せないけれど、私たちの旅の話などお互いにだいたい伝え合うことができました。人の言葉は言語だけにあらず。私たち人間は誰でも人間語を話すことができるのよ。


☆ タリファの町を目指して
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今日もいいお天気です。暑いけれどここのところずっと雨に当たっていないのはありがたいことです。自転車旅での雨の天気は、やっぱり大変だもの。
タリファまでの行程は遠くはありません。ゆっくりと旅をしましょう。
道のりは平坦だったり、緩やかな下りだったり。丘のアップダウンはたくさんあるけれど、全体的に標高が下がっていく道のりです。


☆ アンダルシアの地を旅します
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低い森の続く地域を抜けていくと、やがて辺りの景色は平野の広がる土地へと変わっていきました。そしてその平野の向こうには海が見えました。そう、海です。
この海は地中海なのでしょうか? それとも大西洋? とにかく私たちはヨーロッパの陸の端っこまでやって来たのです。
しばらく海沿いを走っていくと、海の向こうに陸地が見えました。あれはもしかしたら.......。アフリカ。

私たちはお昼ちょうどにタリファ(Tarifa)の町に到着しました。


☆ タリファの町の門
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タリファの町の中心地は、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』を読んで想像していた異国情緒深い町の雰囲気ぴったり。すぐ側には現代のおしゃれなカフェやレストラン、サーフショップやスーパーマーケットなんかもあるんだけれど、まだまだ歴史深い建物がたくさん残されている。上の写真の町の門なんかは、私が思い描いていたアフリカの影響が色濃く見られるスペインの建物、っていう感じ。
ああ、ついにアフリカの隣りまでやって来たのね。


☆ タリファのお城
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アフリカに一番近いスペインの町、タリファ。アフリカ行きの船が出ているターミナルがあって、そのすぐ横にはタリファのお城がありました。きっと防衛の要でもあったのでしょう。


☆ アフリカが見えた
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「翼よ、あれがパリの灯だ」と言ったのはリンドバーグ
私が「タイヤよ、あれがアフリカの地だ」って言ったら、カタリは嬉しそうに微笑みました。
私たちはつまり、そんな気持ちだったのです。


☆ タリファの海岸
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タリファの町はサーフィンでも有名な場所みたいで、サーフィンに関係のあるお店がたくさんありました。私たちは町の中を少しうろうろしてインフォメーションセンターを見つけると、そこで町の地図をもらい、宿を尋ねました。私たちはそこで紹介された「ユースホステル」と銘打たれたバックパッカーズのような宿へと向かいました。宿は町の入口近くの郊外にあり、サーフショップとスーパーマーケットの間にありました。入口はオープンカフェのように大きく開かれていて、レセプションにはサーフィンのスクールやツアーの案内が掲げられています。サーファースタイルのお兄さんお姉さんが水着姿のままけだるそうな感じで寛いでいます。流れる音楽はレゲエ。かっこいいけれど、私にはちょっと怖い。カタリの後ろに隠れるようにくっついていきました。


☆ ホステルの屋上
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宿の屋上は開放的で、仲間同士わいわい食事をしたり寛いだりできる大きなテーブルがいくつも置かれています。屋外シャワーも付いていて、サーフィンをした後にここでシャワーを浴びたり、ウェットスーツを洗ったりできるようになっています。ほんと、サーファーにとっては快適な宿みたい。
私たちはサーファーではないけれど、キッチン付きの宿ならばきっと快適に過ごせるでしょう。だから今夜はここに泊まることに決めました。


☆ 裏の路地
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荷物を置いて町探険に出発です。海の香りがして、今までの町とは違った雰囲気。アラブの香りが交じっています。


☆ カフェと泉と花のある坂道
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ここタリファもアンダルシア地方らしい白い壁の建物が多くあり、あちらこちらに花がありました。でも古い石造りの建物があったり、陽気で情熱的な音楽が聞こえてきたり、アラブ系の人々が多くなったり、やっぱり今まで通ってきた町とは感じが違います。よりエキゾチック。


☆ タリファ城
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町の南端には地続きの小さな島がありました。でも国か軍のものらしくて、島に入ることはできませんでした。そのすぐ側にはアフリカ行きのフェリーターミナルがあり、その横にはタリファのお城があります。宿に行く前に目にしていました。午後は時間があったので、私たちはお城を見学することにしました。


☆ お城からの景色
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お城は城内の展示スペースと、遺構の残る中庭と、開けた屋上を見て回ることができます。お城は崖の上に建てられていました。


☆ アフリカ大陸
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お城からはアフリカ大陸がよく見えました。
船に乗ってジブラルタル海峡を渡れば、もうそこはヨーロッパではなくアフリカの土地。『アルケミスト』の主人公サンチャゴは、羊飼いをしながらお金を貯めて、この船着き場からアフリカへと渡ったのね。まだ行ったことのないアフリカの地が目の前に。いつか行ってみたいな。


☆ お城とターミナル
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この後フェリーターミナルへ行ってみました。2つの船会社があって、アフリカまで38€と41€のようでした。バイクは30か40€なので、自転車なら人と自転車で合わせて60€くらいじゃないかしら。なんとアフリカまで35分で行けるそうです。近いなあ。


☆ 異国情緒あるタリファの町並み
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タリファの町をさらに探検します。他のスペインの町並みのように白塗りの壁とオレンジ色の屋根瓦がたくさんあるのに、やっぱりアフリカっぽさがあるのはなんでだろう。建築様式? 植物の種類? それとも露店やレストランから漂ってくる美味しそうな匂いかしら。


☆ レストラン通りの裏路地
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表通りには明るいオープンテラスのレストランが並んでいますが、一本入った細い路地にもたくさんのお店がありました。”隠れ家”的な名店がありそうですね。


☆ 町の教会
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教会も白い壁に花がいっぱい。
花がブーゲンビリアみたいで南の国っぽい。そういえばヤシの木もよく見かけたなあ。


☆ 生ハム屋さん
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スーパーの生ハムコーナーです。その場で薄くスライスして量り売りをしてくれます。同じように見えるけれど、じつは種類が豊富。何がどう違うのかは分からなかったけれど、食べてみると確かに違う味や食感でした。何がどう違うのかは、分からなかったけれど。


☆ 宿のキッチン
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食料の買い物をして、宿に帰ってきました。私たちの泊まる部屋はドミトリー(相部屋)です。ドミトリーに泊まるのは久しぶり。ここのところ快適なプライベートルームに泊まることが多かったから、少し緊張します。でもこの広いキッチンは嬉しい。食器も冷蔵庫も揃っていて、コーヒーメーカーもあります。食料のたくさん入った大きな箱がいくつもあって、箱には名前が書かれています。どうやら長期滞在者の多い宿みたい。


☆ うさぎの料理
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日本ではあまり見かけませんが、うさぎの肉が売られていたので今夜はうさぎ料理にします。
うさぎは肉が柔らかくて、鶏肉より少し風味を濃くしたような味。
とっても美味しい、ご馳走です。


☆ 旅の終着地にて
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夕飯を食べて幸せな気持ちで寛いでいると、空が赤く染まり始めました。宿屋の目の前は海に面した草原で、馬たちが放されています。

私たちの旅はこうして終着の落日を迎えました。

ダブリンを出発して、およそ5,500km。家を出立してから73日目。
長かったし、短かったな。
感慨深いです。
でも、旅は家に帰るまでが旅。終着地を迎えた私たちは、これから帰路を行くことになります。カタリ、ここからどうやって帰るつもりなの? 私たちはその夜、帰りルートの計画について話し合いました。



🌺 明日へつづく

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🌞 昨日の日記
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🌈 目次へ
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「TinyJoypad」の作り方を動画で紹介することの紹介🍋

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"ATtiny85(ちびやっこ)" ゲーム機
TinyJoypad」の作り方を動画にしました🐤


🍊 TinyJoypad
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ちっちゃいゲーム機「TinyJoypad」。
ゲームのプログラムは左上の四角いICに入っています。このICは「ATtiny85」というマイクロコンピュータ(マイクロコントローラ)で、私は「ちびやっこ」と呼んでいます。
この中に無料で公開されているゲームをダウンロードして書き込めば、いろいろなゲームが楽しめちゃう。スペースインベーダーとか、パックマンとか、ボンバーマンとか。
そんなゲームが小さな電子パーツで手作りできちゃうんです。その作り方を動画にまとめてみました。私の英語の勉強を兼ねて。動画では分かりにくいところは、ぜひブログを参考にしてくださいね(下の目次のリンクから)。


🍌 2号機
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動画】「TinyJoypadの作り方」

www.youtube.com



<目次>
↓ 作り方です。題名がリンクになっています。

そのATtiny85ゲーム機の紹介と準備する物
その実機(ハード)の作製(パーツと配線)
そのプログラム(ソフト)の書き込み
その「作り方の動画」(この記事)

幸運の星に導かれ、荒野を旅して丘の上の白い町ベヘルへ。

アンダルシア地方編】ヨーロッパ自転車旅

                       🌈今日の旅路🌞
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アンダルシア地方「4日目
無理せずゆっくりアンダルシア地方の旅を楽しみましょう。ジブラルタ海峡は逃げないわ。
崖の上の白い村アルコス・デ・ラ・フロンテラから丘の上の白い白い町ベヘル・デ・ラ・フロンテラまで。

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🌷 ゆっくりと旅しましょう
昨日は暑くて広くて熱い荒野の中をずっと旅してきて、体はもうくたくたでした。一日の終わりには快適なツインルームに泊まることができたのですが、夜寝ているときには体の内側に痛みがありました。どうやらその痛みのせいで、夜中にうなされていたみたい。やはり昨日の無理がたたったのでしょう。目の前を走る保護者のカタリの背中を追って、暑さと疲れの中でも私は平気と思っていたけど、体は平気じゃなかったみたい。朝起きると心配顔のカタリが優しい言葉をかけてくれました。だから私は大丈夫。その言葉だけで元気が出ます。

朝食付きの宿だったので、1階のバルレストランに降りて遅めの朝食をいただきました。おいしい朝ごはんを食べながら、私たちはこれからの旅について話し合いました。旅のしかたのこと、自転車の状態のこと、日本での生活のこと、旅の終わりのこと。そして、今日からはゆっくりと旅することに決めました。急いでどこかへ向かう必要なんてない。私たちは旅をしたいがために旅しているのだから、って。

☆ 迷いやすいアルコスの町
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荷物を自転車に積み込んで10時頃に出発。今日も憎いくらいにいい天気🌞 だけど平気。今日からはゆっくり旅することに決めたんだから。元気を出して自転車をこぎ出したけれどアルコスの町は坂道が多くて、上がったり下がったりしながら次の町へ向かう道がなかなか見つかりません。やっとアルコスの町を出ることができた時には11時くらいになっていました。

☆ アルコスの町を出立
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アルコスの町は白い家がたくさんあって素敵だったけれど、町を出るときに郊外の丘から見たアルコスの町の全体像がとてもロマンチックで劇的でした(上の写真)。
アンダルシアの荒野と白い町とお城。赤毛のアンのいうところの「想像の余地がある」魅力的な光景。いろんなロマンを想像しちゃうなぁ。

☆ 今日も荒野を進みます。でも、ゆっくりと。
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私たちは今朝決めたように、ゆっくりとアンダルシアの荒野を進みました。でも今日は下りが続いたので、ゆっくりこいでもスピードは速かったんです。朝からずっと荒野の中を旅して、パテルナ(Paterna de Rivera)という町に着いたときにようやくスーパーに寄ることができました。ここでお昼ご飯にします。
このときにみかん100%のジュースを飲んだのですが、それがとーっても最高に美味しかったです。本当に美味しかった🍊

ドン・キホーテが突進したのも風車
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パテルナの町を過ぎると、やがて今日の旅の中間地点に位置するメディナ(Medina-Sidonia)の町が見えてきます。この町は”すごい丘”の上にある町です。たいていの街道は町の真ん中を抜けていきますが、この町の場合はその他に周囲をぐるりと道が巡っています。登山道の「巻き道」のように。一山越えるほどの”すごい丘”の上にある町なんですね。チベット修道院の町みたい。
好奇心に駆られがちな私たちはこういう場所ではたいてい山のてっぺんに登ってみようとしますが、今日は無理せず旅をしようと決めたばかり。なので丘を巻く道を通りました。

☆ 荒野は続く
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旅をしていると時々、多くの偶然が重なって一つの場所や出来事に巡り合う、という「大きな意図」の導きのようなものを感じることがあります。それはいつだって良い形をしていて、私たち旅人は「幸運の星(Lucky Star)」と呼んでいます。偶然に偶然が重なって巡り合う人や場所や出来事。その偶然の一つでも欠けたら出会えない。それを「奇跡」と呼ぶ人もいます。そういう奇跡って、旅の中では結構たくさん起きるものなんです。
一昨日宿がなくて、昨日がとても辛い一日だったのは、タリファの町にいくまでにもう一泊するためのものだったんだ。と、カタリが後に言っていました。「すべては旅の女神の思し召し。僕らの旅は見通され、守護されている」「もしかしたらルナが女神なのかもしれない」とも。え? それってどんな発想?

☆ まるで巨人のよう
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やがて私たちの旅路はベヘル・デ・ラ・フロンテラ(Vejer de la Frontera)の町へと辿り着きます。距離はあったけれど苦しさはありませんでした。きっと下りが多かったのと、”焦ることはない”という心の持ち様が体を助けたのでしょう。今夜はここベヘルの町で宿を探しましょう。

☆ ベヘル・デ・ラ・フロンテラの町
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ベヘルの町へは、ものすごい急坂を自転車を押して入りました。家々の少ない斜面を登って入った町の入口は、なんだか町のお勝手口のような雰囲気でした(カタリも「町の裏手」と呼んでいました)。坂を登りきると丘の上の白い町の中に出ました。少し行くと噴水広場に出て、人々がカフェで寛いでいます。今まで走ってきた道のりとはまるで別世界。白い、きれい、かわいい!

☆ 丘の上の噴水広場(スペイン広場)
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私たちは丘の上の白い町をぐるっと一周、回ってみました。今朝出発したアルコスの町も白くて可愛らしかったけど、ここベヘルの町は見晴らしが良くてさらに白い町の魅力が見える。ほんとに白い、きれい、かわいい。

☆ ベヘル町のくびれ
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ベヘルのオールドタウンは東の丘と西の丘に分かれているイメージで、その間に”くびれ”たような低地の駐車場があります(上の写真)。
東西の丘同士は北側でつながっていて、そこにはレストランの立ち並ぶ”町のバルコニー”のようなテラス道があります(下の写真)。
テラス道からは、今日私たちが旅してきた道のりを遠く眺めることができました。

☆ 町のバルコニー
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魅力を感じる世界、きれいだと思う世界、そこをただ見るだけで、歩くだけで、自転車で走るだけで、人生が喜びに満ちることがあります。特別なきっかけは必ずしも必要じゃない。この世界はときどき、ただそこにいるだけで歓びを感じるほどに、美しいところに見えます。

☆ 「ドン・キホーテ展望台」方面から見たオールドタウン全景
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☆ 坂と植物の多い白い町
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もしあなたの心が苦しくて窓の外の世界に目を向けるのがうんざりだったとしても、もし今は心が重たくて外に出ることが億劫過ぎるとしても、私たちの見た空の下に身を置く機会があれば、あなたはきっと気に入ってくれる。心が喜びを感じるはず。だって、醜さや汚らしさに溢れたこの世界は、ときどき途方もなく美しいから。

☆ ベヘル町を見守る女神様
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私たちの見た空は、世界中のどの場所の空ともつながっている、ひとつながりの空です。
あなたのいる空とも。

☆ スペイン広場の噴水
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白い町を巡りながらあちらこちらでインフォメーションセンターの場所を尋ねました。宿の場所を訊くためにインフォメーションセンターに行きましたが、あと1時間は国民のお昼寝タイム、シエスタです。ただ待っているだけというのももったいないので、私たちは自分たちの足で今夜の宿を探すことにしました。

☆ 宿の屋上からの景色
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丘の上の見晴らしの良さそうな場所にいくつかの宿を見つけることができました。一軒は通りに面したパン屋さんの2階にあって、そこも素敵な感じでしたが、私たちはその少し奥の坂道にある宿を訪ねました。
大きな宿でしたが入口は小さくて、一人のおじいさんが階段の横で受付をしてくれました。2人部屋でバスルーム付き。
この部屋がとても素敵で、花柄のベッドカバー、町を見渡せる窓、シャワールームはバスタブ付き、使いやすい調度品、親切なフロントのおじいさん、洗濯物を干せる展望台のような屋上、いい香りのボディソープ、その他もろもろ。そして何より立地の良さ。私にとって、この旅で一番素敵な宿でした。

☆ あの地平線から旅をしてきた
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私たちは宿に荷物を降ろすと、さっそくベヘルの町を探索しました。あっちへ行ってもこっちへ行っても絵になる光景ばかり。イングリッシュガーデンのような区画があったかと思えば、アラブ風なモザイク画や壺が置かれていたり。オリエンタルな色合いのタイルが飾られていたり、スペインらしい教会の尖塔があったり。様々な文化の特色が争うことなく調和している。そんなエキゾチックな魅力を感じる町です。

☆ 坂の途中にある古いスタイルの風車
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白いベヘルの町をぐるぐると見て回った後は、町はずれのスーパーへ行って今夜のご馳走を買い込みます。青りんごジュースも美味しかったけれど、スペインオムレツのトルティーヤ(Tortilla de patatas)が格別に美味しかったです。
宿に戻ってお風呂とお洗濯。洗濯物は景色の良い屋上に干します。風が気持ちいい。

☆ 夕暮れ間近
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昨日はとっても辛い一日だったけれど、カタリの言うようにそれは今日こうしてここベヘルの町に巡り合うための導きだったのかもしれない。もし自転車旅が快調で今日のうちにタリファに着いてしまっていたら、この町には留まれなかったんだもの。きっとこれも旅の女神さまの思し召しで、幸運の星が輝いたのね。

☆ 丘の上の白い町、ベヘルの夜
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そんなことを思うくらいに素敵な町との出会いでした。
二日過ぎの満月の光に照らされた、白い町の中で。おやすみなさい、いい夢を。



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