Mira&Luna's nursery lab

旅乙女と発明娘の子供部屋

旅の帰路の始まり。嵐の崖を越えて列車に乗りマラガへ。宿が見つからずへとへとになった日。

帰り道編】ヨーロッパ自転車

                       🌈今日の旅路🌞
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    上の地図の黄色星はタリファ、水色星はアルヘシラス、桃色星はマラガです。

旅の帰路日目」
空港のあるマラガを目指します。でも海岸線はモーターウェイだけで自転車は通れない。そこで列車に乗って山越えルートを行くことに。だけど列車駅のある町までは台風のような崖の道だった。ようやく辿り着いたマラガの町では夜になっても宿が見つからず......。
そんな旅の一日でした。

旅の終着地タリファを出発。アルヘシラスから列車に乗ってマラガへ。

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ルナです。スペインのアンダルシア地方、タリファの町にいます(いました)。タリファはスペインの最南端の町で、目の前のジブラルタ海峡を挟んでアフリカ大陸が見えるの。アフリカまでは船で35分。そしてこの町がアイルランドからずっと自転車で旅してきた私たちの旅の終着地点。長くてあっという間の旅でした。今日は日本の我が家へと向かう帰路へと出発します。まずは海に沿って走り、列車駅のある町アルヘシラス(Algeciras)を目指します。


☆ タリファの宿を出発
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朝早く、自転車に荷物を積み込んで宿を出発します。
外に一歩出るとすごい風。紙くずやペットボトルが道の上を転がっていきます。町の人たちはまだみんな眠っていて、通りには誰もいません。私たちは向かい風に向かって自転車を漕ぎだしました。家路へ向けて、出発です。


☆ 強い向かい風の道
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昨夜、私と保護者のカタリは帰り道についての計画を話し合いました。近くにある国際空港を探すと、マラガという町に大きな空港があるようです。このまま海岸線沿いに行けば数日で辿り着けるでしょう。でも地図を見てみると、海岸線の一部は自転車の通れないモーターウェイがあるだけで、自転車の通れる道が見当たりません。どうやら自転車で行くのなら海岸線ではなく内陸の山を越えなくてはいけないみたい。暑い砂漠のような土地の山越えは大変そう。
そこで私たちは列車に乗る手段を考えました。近くの町アルヘシラスから線路が続いています。でも情報がないので(私たちは紙の地図を手に、インターネットをほとんど使わない旅をしています。)、その列車はマラガへ行くのか、貨物ではなく旅客列車か、本数や時刻はどうか、自転車は乗せられるのか、わかりません。宿で一緒だったおじさんは、ジブラルタ空港から明日ロンドンへ向けて飛行機で帰るそうです。つまりアルヘシラスの隣りにあるジブラルタの町にも、空港があるようです。とにかくまずは、アルヘシラスへ行ってみましょう。きっとなんとかなるにきまっています。あとのことはケセラセラです。


☆ 台風のような風の中、崖の道を行く
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タリファからはずっと登りの道で、坂道はどんどん急勾配になっていきました。道の右手は崖になっています。ヨーロッパのほとんどの国では車や自転車は右側通行なので、私たちは崖沿いを走りました。風はどんどん強くなっていきます。白い雲が空をちぎれながら飛んでいきます。やがて自転車を漕ぐことができなくなり、さらには立っているのも危険な状態になりました。私たちは引き返すことも考えながら、道の左側へと渡り、自転車にしがみつくようにして少しずつ少しずつ突風の坂道を登っていきました。それはフランスで渡ったナザレの恐ろしい橋よりもずっとずっと危険な道のりでした。何度もうずくまるように動けなくなりましたが、その度にカタリが風に負けない声で励ましてくれて、私たちは命からがら(この表現がぴったりです)峠のドライブウェイに辿り着くことができました。タリファからの高度は320m。峠を越えた向こう側にはほとんど風が吹いていません。私たちはアルヘシラスの町へと続く下り道を、気持ちよく一息に走り抜けました。
ほんの少しの油断でも転倒してしまうような危険な道でした。怖かったな。ほんと、無事でよかった。


☆ アルヘシラスの駅
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アルヘシラスの町へ到着した私たちはどきどきしながら駅へ向かいました。マラガ行きの列車はあるかな。自転車は乗せられるかな。時刻はどうかな。駅を見つけ構内へと入り、切符売り場の窓口でマラガ行きの列車を尋ねてみます。するとなんと、45分後にマラガ行きの列車があるということでした! f:id:miraluna:20191015184105j:plain:w50やったぁ!
自転車も3€で載せることができるそうです。すごい。つい心の中で感謝の言葉を呟きました。


☆ 列車移動🚄\(^,^)/
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近くの公園でお昼ご飯を食べてから、無事にマラガ行きの列車に乗車することができました。プラットホームも自転車用の車両もすぐに見つかりました。さすが自転車に優しいヨーロッパ。自転車移動の設備が整っています。


☆ 車窓から
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列車の中では自転車旅の夫婦と仲良くなりました。これからアンダルシア地方を旅して回るそうです。マラガとタリファの間は自転車の道がないことや、アンダルシア地方は自転車旅にはとても素敵なところだと言っていました。私たちも同感です(暑いこともあるけれど)。


☆ アンダルシアの車窓から
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途中、ボバディージャ(Bobadilla)という駅で乗り換えました。次の列車が30分ほど遅れましたが、無事に乗ることができ、16:30頃マラガ駅に到着しました。自転車で数日かかるところをたった半日で移動できちゃうんだもん、やっぱり列車は速いなぁ。


☆ マラガの海
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マラガは数多くの歴史をもつ町で、パブロ・ピカソの生まれた町。大きな町で、観光地でもある。私たちはこの町の空港から、飛行機で日本へと帰ろうと思っています。
まずは今夜の宿を探しましょう。飛行機のチケットやお土産を買うのはそれから。


       ☆ マラガの中心街
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マラガまで何とか辿り着けたけれど、ここからが大変だったの。この日はどこの宿もいっぱいで部屋が見つからない。いつも泊まるようなホステル(安宿)から中級ホテルまで回ったけれど、どこも満室。駅前に一軒小さなホステルがあったけれど、料金表の倍以上の値段を言われたのでやめました。空港まで行ってみたけれど空き室のある宿屋はありません。ねえ、どうしようカタリ。町の中では野宿は難しいよ。


☆ 立派な教会
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とうとう日が暮れてしまいました。それでもまだ今夜の宿が見つかりません。満室で断られたペンションのお兄さんがとても親切な方で、色々と力になってくれました。なんて心強かったことでしょう。手を差し伸べた人にとっては何気ないことでも、手を差し伸べられた者にとってはとても大きな支えになることってありますよね。このときがそうでした。私も多くの人に手を差し伸べられる人になりたいです。その後もお兄さんに教えてもらった宿などいくつも回ります。もう今日だけで10軒以上の宿を回りました。あと2軒回ってだめだったらビーチで眠ろうと話していました。体はもうくたくたで、大きな街で心細かったです。


       ☆ 夜の街
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その後もずいぶん長いことマラガの町を彷徨いました。街はディナーやショッピングを楽しむ人で賑やかです。道行く人々はドレスアップしたり香水の香りがしたり華やか。田舎で宿がなくて野宿をするのには慣れているけれど、大きな街で宿がない時にはどうすればいいか分からない。砂浜で夜を明かすことになるのかな。不安です。


     ☆ ホステル
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夜10時を過ぎ、今夜の宿を諦めかけた頃でした。また断られるのかなと思いながら私たちは町の中心にあるホステルを訪ねました。レストランと広場とショッピングストリートに囲まれた中心地。受付のお姉さんに空きベッドを尋ねると、なんとありました。なんてありがたいんでしょう。このときは本当に心からほっとしました。そして私はまた心の中で感謝の言葉を呟きました。


☆ 快適なベッドの上でおやすみなさい
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ああ、良かった。これで今夜は安心です。
今日は台風のような坂道を上がって、列車で移動して、夜の街をずっと彷徨って大変な一日でした。いつもの旅の一日とは違った疲れでへとへとです。私は街を見る元気もなく、シャワーを浴びて持っている食料を少し食べたらすぐに眠ってしまいました。その間にカタリが宿のWi-Fiを使って明日の飛行機のチケットを取ってくれていたなんてまるで知らずに。
明日元気になったらお土産を買いましょう。今はとにかく今夜のベッドに感謝して、おやすみなさい。



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