桑の実摘みと、手作り桑の実ジャム作り。
Luna&Mira
「桑の実ジャム」
(ルナ)いい天気。今日は暑いくらいの5月の晴れの日。生命力にあふれた新緑が、青い空に向かってぐんぐんと伸びています。
(ミラ)だからきっとそろそろだねって、話してたの。
(ルナ)この季節には新緑だけではなくて、咲き誇る花も実を結ぶ果実もたくさんあります。家の近所の林には桑の木があって、私たちはゴールデンウィークから桑の実ジャムを作ろうと話していました。 →「桑の木のある林を抜けてサイクリング」
(ミラ)桑の実がなるのをずっと楽しみにしていたの。
(ルナ)きっとそろそろ実をつけているだろうから行ってみようということになって、桑の実を摘みに行ってきました。
(ミラ)思った通り、いっぱいなっていたんですよ。
☆ いい天気
(ミラ)やってきました桑の木のある林。今日はほんとに暑かったね。
(ルナ)天気予報だと「真夏日」だって。午前中でも暑かったね。二人とも夏服に帽子をかぶって行きました。桑の実を入れるビニール袋も持ってね。
☆ さあ、なってるかな?
(ルナ)さあ、桑の実はなってるかな?
(ミラ)きっとなってるよ。ゴールデンウィークからずっと待ってたもん。
(ルナ)毎週のように言ってたよね。そろそろかな? って。
(ミラ)うん。でもカタリがいつも「まだだろう」って。
あ、ほら見て。なってるよ。だって道に落ちて黒くなってるもん。
(ルナ)ほんとだ。なってそうだね。
☆ 桑の実
(ミラ)やったあ! あった!
(ルナ)だいぶ黒っぽくなってる。ちょうどいい時期みたいね。
(ミラ)いっぱいある。ジャム作れるかな?
(ルナ)うん。きっと作れると思う。やったね。
(ミラ)やったね。
☆ 桑の実摘み
(ミラ)実はいっぱいあるんだけど、高いところにあってなかなか取れない。
(ルナ)低い枝を引っ張って、黒っぽくなったのだけ摘み取ろう。
(ミラ)はしごか何かあればいいのにな。
(ルナ)でもきっと低いところだけでも十分な量を取れそうだよ。上まで届いちゃったらきっと段ボール1箱でも足りないくらい摘めちゃいそう。
(ミラ)そうだね。欲張りすぎないようにしなきゃ。十分取れるんだもん。
(ルナ)うん。
☆ 綿の木
(ルナ)ちょっとピンボケしちゃってるけれど、これはたぶん綿花だと思います。
(後記 2021.6月:(ルナ)このときは綿のようなものは綿花くらいしか知らなかったので綿花だと思っていたけれど、堅い殻のようなものに入っている綿花とちょっと違うなとずっと思っていたんです。それで最近になって調べてみると、どうやら柳の仲間の植物のようで、その中でも特に「ドロノキ」という木がよく似ていました。だからきっとこの綿は、ドロノキの綿毛だと思います。)
(ミラ)綿花って?
(ルナ)服の生地の「綿」がなる木よ。
(ミラ)えぇっ? 綿って木になるの?
(ルナ)そう。木綿のこと。漢字で「木」「綿」って書くでしょ。コットンは木になるの。
(ミラ)そうなんだ。じゃあ絹は?
(ルナ)絹は蚕の繭から。
(ミラ)そうだ。小学校のとき習った。そういえば綿も習ってたかも。
(ルナ)実際にこうして見てみるまでは実感はわかないよね。これがきっと私たちの服の素材なんだと思う。栽培用はもっとふっくらしていて綿がぎっしり詰まってるけどね。
(ミラ)麻も植物だよね。
(ルナ)うん。麻はリネン。「亜麻色の髪の乙女」の亜麻だね。
(ミラ)あと、羊毛とか。
(ルナ)いつの間にか洋服の生地の話をしてるのね。この桑の葉は絹を作る蚕の幼虫が食べる葉なんだよ。蚕を育てることを養蚕っていうんだけど、そこでは幼虫に桑の葉をたくさん食べさせて育てるの。
(ミラ)「ようさん」って言うんだ。
(ルナ)蚕は絹を生んでくれる大切な生き物だったから「お蚕様」って呼んで大事にされたの。
(ミラ)様様なのね。
☆ カラスノエンドウ
(ルナ)カラスノエンドウがとってもきれい。
(ミラ)これってたしか食べれるんだよね。
(ルナ)そう。いろんなところにある雑草だけど、実は食べられる。いつだったか食べたことあったね。
(ミラ)うん。土手でいっぱい摘んできて、すじを取るのが楽しかった。
(ルナ)一緒にとったね。おしゃべりしながら。
(ミラ)味は普通のさやえんどうみたいでおいしかった。ちっちゃいえんどう豆。
(ルナ)今はまだ実はなっていないみたい。
(ミラ)実がなったらまた食べよう。
(ルナ)そうだね。また楽しみが一つ増えた。
☆ いっぱい摘んだ
(ミラ)だんだん摘み取るのに慣れてきた。
(ルナ)黒くて熟したのは軽く触っただけでぽろっと取れる。でもまだ赤いのは引っ張ってもなかなか取れないね。
(ミラ)ほら見て。指がすごい色。
(ルナ)私も。ハロウィンのときみたいだね。(このとき二人とも指先が果汁で赤紫色をしていたんです。)
☆ 帰り道
(ルナ)さあ、いっぱい摘んだからそろそろ帰りましょう。
(ミラ)帰ったらいよいよジャム作りだね。
(ルナ)楽しみ楽しみ。
(ミラ)楽しみ楽しみ。
(帰宅しました)
☆ 摘んできた桑の実
(ルナ)それじゃあ、いよいよジャム作りを始めましょう。
(ミラ)やったあ。
(ルナ)まずは実をよく洗おうね。ざるを使いましょう。
(ミラ)はい、先生。
☆ 果柄取り
(ルナ)よく洗ったら水を切って、へたを取ろう。
(ミラ)へたってこの緑の部分?
(ルナ)そうそれ。果柄(かへい)っていうの。もしかしたら煮詰めちゃえば気にならないのかもしれないけど、一応とっておきましょう。
(ミラ)私こういうの好き。
(ルナ)つくしのスカートを取るのとか、豆のすじをとるのとか。
(ミラ)一人でやるのは好きじゃないけど、おしゃべりしながらやるのは好き。
(ルナ)私も好き。
☆ 鍋いっぱい
(ルナ)二人でやったら15分もかからなかったね。
(ミラ)やってるうちに上手く取れるようになったし。
(ルナ)お鍋に一杯分くらい取れたね。
(ミラ)けっこういっぱいつまみ食いしたのにね。
(ルナ)それじゃあ火にかけるね。水分が少し必要だから、軽くすりこぎで潰しておきましょう。5分の1くらいでいいと思う。
(ミラ)砂糖はどれくらい?
(ルナ)保存食にするなら「砂糖漬け」になるようにたくさん入れるけど、今回は冷蔵庫に入れてすぐに食べちゃうだろうから、少しにしよう。砂糖は小さじ2杯にして、自然の甘みを楽しみましょう。
(ミラ)はい先生。小さじ2杯ね。
(ルナ)あとお塩を2つまみ入れましょう。
(ミラ)塩も入れるの?
(ルナ)そう。塩をほんのちょっぴり入れると、甘みを感じやすくなるの。でも入れ過ぎないように、ほんのちょっとね。
(ミラ)わあ、どんな味になるんだろう?
☆ 煮詰める
(ルナ)弱火で蓋をして15分くらい煮詰めたら、実が崩れてくるでしょう。
(ミラ)うん。さっきよりぐずぐずになった。
(ルナ)そうなったら火を止めて、蓋をしたまま置いておきましょう。
(ミラ)え。もうできあがり?
(ルナ)今回は保存用のものじゃないからね。実が崩れる程度で十分なの。あとはじっくりと冷えていくときに砂糖が染み込んで味が整うのよ。
(ミラ)果報は寝て待て。トランプしよう。
☆ 完成
(ミラ)どう? できてる?
(ルナ)うんうん。じゃーん。桑の実ジャムのできあがり。
(ミラ)やったあ。
(ルナ)それでは、今日のお昼ご飯はパンにジャムを添えていただきましょう。
(ミラ)あとサラダとジュース。
☆ 桑の実ジャムをたっぷりと。
(ルナ)このあと私たちは美味しく桑の実ジャムをいただきました。
(ミラ)パンにたっぷり乗せてね。
(ルナ)砂糖をあまり入れていないから、ほとんど桑の実の甘さだけ。優しい甘さです。
(ミラ)ラズベリージャムみたいな味。パンによく合うね。
(ルナ)また来年も作れるかな?
(ミラ)作りたい!