Luna
宇宙でできているかのよう。
深い群青と金色のラピスラズリ。
和名:青金石(せいきんせき)
顔料名:瑠璃、ウルトラマリン
英名:Lazurite
通称:ラピスラズリ(Lapis Lazuli)
化学式:(Na,Ca)₇~₈(Al,Si)₁₂(O,S)₂₄[(SO₄),Cl₂,(OH)₂]
(堀 秀道,『楽しい鉱物図鑑』,草思社,1992)より
大好きな石の一つ。ラピスラズリ。
深い群青色にきらきらと金色のパイライト(黄鉄鉱)が輝く様子は、まるで澄んだ空気の大自然の中で見る星空みたい。
ジブリ映画の『耳をすませば』で主人公の雫がおじいさんにもらう石。私あのシーン大好き。もしかしたら『耳をすませば』を観た頃から天然石に憧れ始めたのかもしれません。
ところでラピスラズリって正式名称ではなかったんですね。ラピスは「石」を、ラズリは「群青」を意味しているそうです。名前の響きも好きです。
ラピスラズリの群青は、古来から顔料としてヨーロッパなどで使われてきました。日本画の顔料としても使われることがあるそうです。尾形光琳の『燕子花図屏風』には魅力的な群青の燕子花(かきつばた)が描かれていますが、ラピスラズリより濃い色。これは藍銅鉱(アズライト)と植物染料の「藍(あい)」を使っているのではないかという論文(尾形光琳「燕子花図屏風」再現的模写の試作)を見つけました。紺青という深い青色についても書かれていました。日本画の群青は藍銅鉱が使われることが多いそうです。ラピスラズリが多く使われているのはヨーロッパ。アフガニスタンで産出するラピスラズリがシルクロードを通って西洋にもたらされてきました。画家のヨハネス・フェルメールはラピスラズリの青を好み、フェルメールの絵画に描かれる青の美しさは「フェルメール・ブルー」と呼ばれています。
まるで宇宙を抱いているようなその姿。物質はみんな原子のレベルまで覗いてみると、星や銀河が無数にある宇宙のような姿をしているそうです。だから「宇宙を抱いている」という表現も間違いではないのかも。もしかしたら私たちの住む地球や銀河も、とっても大きな石(物質)の一部なのかもしれません。ミクロとマクロ、極小と極大の世界はまるで入れ子細工のように続いているのかも。
ラピスラズリを見ていると、神秘的な宇宙の在り方に思いを馳せてぼんやりしてしまったりもします。
虫の音の心地いい、初秋の夜なんかには。
(ミラ)またルナが夢見る乙女になってる。
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