フランスを自転車で旅します。 ★現在地★
<5日目>
Luna
3度目のモン・サン=ミシェル。ついに修道院内に入ります。
☆ ジュネからモンサンミシェルを経由してポントルソンへ
テントをたたんで出発の準備をします。
毎日新しい土地へと移動していく旅の中では、連泊をした場所には愛着が生まれるものです。ちょっとだけ名残惜しさを感じます。お世話になりました。
ディジェとシルヴィアと連絡先を交換して、お別れをします。犬のサルト―にもね。ジネスはまだ寝ているみたい。
オーナーたちの家を訪れたけれど、会うことはできませんでした。
キャンプ場を出発し、モン・サン=ミシェル対岸の小さな町ジュネ(Genêts)を去ります。
町を出る前に教会へ行き、今日の旅の安全を祈り、昨日の素敵な旅の巡りあわせに感謝しました。
素晴らしい一日をありがとう。お世話になりました。さようなら。
出発の朝はいい天気。
今日も少し風が出ているけれど、それも心地良く感じる朝です。
丘の上にある町アブランシュに到着すると、今日も通りでは市が開かれていてにぎわっていました。『スタンド・バイ・ミー』の曲が流れていたので、一曲聴きながら町の頂上にあるお城を外から眺めました。
☆ 「今日は修道院の中へ」 モン・サン=ミシェルを目指して
☆ 歩きの旅人
モン・サン=ミシェルの橋の手前で、手押し車を押しながら徒歩で旅をしている旅人を見かけました。
カタリは話しかけようとしたのですが、他の人と話し込んでしまったため遠慮をしました。かなり長旅の様子で、聖地巡礼をしている人なのかもしれません。
橋の手前には駐車場や観光案内所があり、そこに自転車を停めて徒歩で島へと向かいました。上に載せた地図を見るとGPSでのルート記録がここまでだから、GPSロガーは自転車に置いていったんだっけ。
そして3度目にしてついにモン・サン=ミシェルの修道院へと入ります。
☆ 修道院入口
☆ あれっ。巨大な鳥がいる。
☆ 頂上を目指して登っていく
☆ 島の頂上 聖ミシェルの尖塔
☆ 聖堂内
☆ 修道院からの眺め
修道院から海を望めば、ジュネのある対岸とトンブレーヌの島が見えます。私たちは昨日、ここを歩いて往復したのね。
☆ 階段と木の扉
☆ 屋外の敷地
☆扉と階段に射す光
☆ 幻想的な回廊 祈りの声が聞こえてきそう
☆ 巨柱の立ち並ぶ森のような礼拝堂
☆ 荷揚げ用の滑車 荷揚げ場から下界を覗く
小さく見えるのは人々。下界から遠く離れています。
修道僧たちは食糧などの生活必需品を滑車を使って上げ下げしていたようです。
きっと世俗社会と隔てられた修道院にこもって、祈りの日々を送ったのでしょう。
現代社会のような色とりどりの刺激などない、寡黙で静謐で閉ざされた日々。
写本と祈りに朝夕を暮らしたといいます。時代によっては私語も禁止されていたそうです。
修道僧たちが祈りながら歩きまわる衣擦れの音と、たいまつの火のちりちりと燃える音だけが聞こえるような世界だったのでしょうか。
祈りに暮らす修道僧たちの想いや生活を想像すると、人の生き方や価値観というものは本当に多様なのだと考えさせられます。
☆ 巨大な巻き上げ機
大きな車輪。
これで修道僧たちみんなの水や食糧を引き揚げていたのね。
☆ 村から見上げた修道院
☆ モン・サン=ミシェル村
☆ 見張り台
数奇な運命をたどってきたモン・サン=ミシェルは要塞だったことも監獄だったこともあるので、様々な姿の名残を見つけることができます。
小屋のような城壁の角は、きっと兵士や看守が見張りをしていたのでしょうね。
☆ 遠く海へと歩きだすパーティの姿が
村の城壁を歩いていると、遠く海の上に歩きだす一行の姿が見え始めました。
私たちが昨日参加した、海歩きのツアーのパーティですね。
これから海をずっと渡ってトンブレーヌの島を目指し、ジュネの町や近隣の集合地点へと向かうのでしょう。
☆ 名物の巨大オムレツ
カタリが(一緒に自転車で旅をしている私の保護者です)モンサンミシェルには名物のオムレツがあると言うので、お昼ご飯にはそのオムレツを食べることになりました。
村を見て回ると、確かにオムレツを出すお店がたくさんあります。私たちは一軒のカフェレストランに入ってオムレツを注文しました。団体のお客さんが来た時に席を譲ったら、コーラを一杯サービスしてくれた。
しばらくして運ばれてきた料理を見てびっくり。
大きい!!
バターやクリームを使って膨らませるのだということを聞いたけれど、メレンゲのように泡っぽいわけではなく、ふわふわだけれどしっかりとお腹にたまりました。
とってもおいしかったです。
☆ さようなら モン・サン=ミシェル
お腹も膨れ、島も一通り見て回り、私たちはモン・サン=ミシェルを後にしました。
3度足を運ぶこととなったフランスの聖なる島。
オ ルヴォワール。
☆ 草原を横切って歩く人々
島の近くの陸地は草原が広がっています。車の通る道ではなく、草原の道を歩いてモンサンミシェルを往復する人々がたくさんいました。
もしかしたらそこは古くからの巡礼路で、そこを歩いて通るということは巡礼の意味をもつのかもしれませんね。
かつての巡礼者たちはモン・サン=ミシェルを目前にして、どんな思いでその草原を歩いたのでしょう。
☆ 畑地と風車はフランスで多く見かける風景
モン・サン=ミシェルを去った私たちは畑の中の一本道を南へ向かって走っていきました。
ところどころにドライブインのような休憩所があります。観光客が休憩するところなのでしょう。
辿り着いたのはポントルソンという静かな町。
キャンプ場があったので行ってみると、一人28.44€だと言われました。
フランスのキャンプ場の相場からすると、とても高いです。私たちが泊ってきたのは一人10€以下のキャンプ場ばかり。
プールなどの遊び場所が充実したファミリー向けのキャンプ場だそうです。私たちは一晩泊まるだけなので、プールは必要ないわね。
キャンプ場を諦めて外へ出ると、隣にあった建物はなんとユースホステルだったの。
行ってみると一人15.33€。なんてラッキーなのかしら。
スーパーマーケットも 9km先ではなく、20mのところにある。やったー。
この日は土曜日だったけれど、宿にお客さんはほとんどいません。オランダの女性二人と、パリの男性一人。みんな自転車旅でした。
宿はロロ(ローヘンス)という女性がほぼ一人できりもりしていて、私たちはすぐに仲良くなりました。
私がロロとおしゃべりできるようになのか、カタリは一人でスーパーへ買い物に出かけました。そしてそこで日本人の画家の方とその奥さんと出会ったんですって。帰りが遅いと思ったらその方の家に行ってビールをごちそうになって来たそうです。
私はロロが一緒にいてくれたので平気でした。
この絵描きさんと奥さんが素敵な方たちだったそうで、カタリは次の日にもお家におじゃましに行ったの。それはまた明日の日記で。
カタリも私も変わった食材を料理して食べるのが好きなのですが、この時にカタリが買ってきたものは豚の脳みそと変な野菜だったの。
日本ではあまり脳を食べる習慣がないから私はおそるおそるだったけれど、命に感謝していただきました。
アンコウの肝や濃厚な白子のような触感と味で、とてもおいしいものでした。日本では家畜の脳はどうしているのかしら?
☆ 豚の脳と変な野菜
宿は居心地が良く、私たちは連泊することにしました。明日は休日です。
この日に泊まった部屋は貸し切りで、ゆっくり休むことができました。
カタリは夜遅くまで何か調べものをしていたそうですが、私はすぐに眠りました。
☆明日へつづく☆
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