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旅乙女と発明娘の子供部屋

トランスファー観光で”ローマの休日⛲”を。 ヨーロッパ自転車旅の帰り道🚲

帰り道編】ヨーロッパ自転車旅
                    
Luna 

旅の帰路日目」乗継ぎ便を待ちながら
ここはローマ。そう、ローマです。
アイルランドから出発した私たちの自転車旅は最終地点のタリファへと辿り着きました。遠くアフリカの地を望み、旅の終わりを見つけた私たちは列車でマラガの町へ。日本への帰り道の始まりです。マラガの町で宿をとり、次の日はお土産屋さん巡りをして、夕方飛行機に乗りました。自転車をパッキングしての飛行機輪行です。ローマに着陸したのは夜の20時半。それが昨日のこと。成田行きの乗継ぎ便は今日の15時15分発なので、半日以上時間があります。私たちはローマ観光を楽しみにしながら昨夜は空港内で眠りました。そして今、ローマの朝を迎えたのです。


☆ 空港内。昨夜はたくさんの人があちらこちらで眠っていた。

トランスファー観光>をちょっと説明
飛行機で移動するとき、直行便であれば乗り換えの必要はないけれど、乗り継ぎの必要なチケットもたくさんありますよね。特に安いチケットなんかは乗り継ぎの待ち時間がとっても長いものもあります。乗り継ぎの間はバスでも電車でも飛行機でも、その場で待つということが多いと思いますが、もし待ち時間があんまり長かったら、その土地を観光できちゃうこともあります。それがトランスファー観光。でもいくつか注意しなくてはいけないこともあります。
・時間内にちゃんと戻って来られること。
 飛行機に乗り遅れたら大変。出国ゲートを通ったら入国ゲートもまた通らなくちゃいけない。乗継ぎ便は離れた場所のゲートかもしれないし、チェックインカウンターが混雑するかも。それに町の中心地は空港から遠いことが多いから、たくさん余裕をもっておきましょうね。
・ビザなしで入国できる国であること。
 入国するため事前にビザの発行が必要な国では準備が必要です。
・荷物を預けられること。
 同じ航空会社の乗継ぎ便であれば、荷物を一時的に受け取る必要がない場合もあります。もし荷物を受け取る必要があって、出発直前まで預けられないような場合には、荷物を持たなくてはならなくなります。そんなときにはコインロッカーや預り所を利用するといいですね。

もし飛行機の乗り継ぎでたくさん時間を持て余してしまいそうなときには、トランスファー観光を楽しんでみてはいかがでしょうか? 特に魅力的な町で乗り継ぐことになったのなら。
     そう、たとえばローマのような。


飛行機を待ちながら......自転車旅の帰り道、アン王女のようにローマの休日を満喫しよう🍧

☆ 地下鉄駅から出たところ


ローマ。ローマです。もう私は心がどうにもうきうきわくわくしてしまいます。映画『ローマの休日』素敵だったなぁ。今から私たちは空港からローマの町の中心へと向かいます。荷物は成田で受け取るので、手荷物だけです。天気は快晴。今の時刻は7時半だから、15時15分の出発までにいろいろと回れそう。空港で観光地図をもらい、港内の駅から列車に乗ります。帰り道が分からなくならないよう、駅名をしっかりと覚えて。
降りた駅は"Roma Ostiense"。町の南側に位置しています。近くにピラミッドがありました。帰りの目印になるね。


☆ 戦車レースの競技場だった"チルコ・マッシモ"

駅は街の中心地から少し外れたところにあったので、そこから北へと歩いて行きます。途中のお店で、鶏肉と葉物野菜の練り物を揚げたものや、ハムとチーズを卵焼きで包んだものなどをお腹に入れました。
初めに見えたのは"チルコ・マッシモ"という古代ローマの遺跡で、戦車レースが行われた競技場だったそうです。とても広いところでした。
競技場を横目に見てさらに行くと、あの有名なコロッセオが見えてきました。観光客もたくさんいます。

コンスタンティヌス凱旋門コロッセオ

     (地図を見ながら読むと分かりやすいですよ→「Google マップ」)

古代ローマ時代、ここでは剣闘士(グラディエーター)たちがお互いの命をかけて戦ったそうです。アフリカから連れてきた猛獣と戦うこともあったそうです。きっと多くの観客たちが剣闘士たちの戦いに興奮し、歓声を上げて見入ったのでしょう。私には野蛮で恐ろしいことのように思えるのですが、当時のローマ市民たちにとっては大切な文化だったのかもしれませんね。でもやっぱり想像すると恐いです。


☆ 巨大建築コロッセオ

おおきい。
2階にいる人々と比べると、その大きさが分かりますね。高い建物が今のようにはない当時の人々からしてみれば、こんなに大きな建物があったら驚くでしょうね。ローマ帝国の力を誇示するのにも大きな役割をもっていたのではないかしら。


フォロ・ロマーノ

ローマ帝国の中心地フォロ・ロマーノ遺跡。紀元前に建てられ始められたものだから、2000年以上の時を経ている。それなのにこんなにはっきりとした形をとどめているなんて驚きですね。この土地では長い時間、その時々の文化や生活様式で、人々が暮らしてきたのね。そして今なおそれは続いていて、それを私たちは目の当たりにしている。私たちがいなくなったその先もずっと、人々はここで暮らし続けていくのでしょうね。


ヴェネツィア広場

この建物と広場も大きい。
建物は王様の記念堂でもあり、無名戦士のお墓でもあるそうです。アン王女がジェラートを食べた階段を思い浮かべたけど、それはスペイン広場。私はローマでずっとはしゃいでいて、この階段をぴょんぴょん跳ね降りたのを覚えています。さあ、次はトレビの泉を目指します。


☆ 細く入り組んだ町の中

ローマには大きな建物や広場もあれば、狭く入り組んだ路地が網の目のように広がる区域もあります。カフェやレストランが立ち並ぶ狭い路地を迷子になりながら歩き回りました。するとごちゃごちゃとした感じの街中に、突如マイナスイオンたっぷりの爽やかで涼しい空間が開けました。ここがトレビの泉です。

☆ トレビの泉

トレビの泉には後ろ向きにコインを投げ入れると願い事が叶うという言い伝えがあります。私たちも泉の近くまで行って、お願い事をしてから後ろを向いてコインを投げ入れました。投げ入れるコインの枚数によって願い事が変わるらしいのですが、そのときはまだ知らなかったので、神社のお賽銭のように投げ入れました。隣ではカタリが目をつぶってコインを投げています。私の保護者はどんな願い事をしたのかな。


パンテオン

西暦118年から10年間かけて建てられた、いろいろなローマ神たちを祀った神殿です。2000年近く経った今でも安定して立っているなんて、当時の技術力は見事ですね。ユピテル(ギリシャ神話のゼウス)やミネルヴァ(ギリシャ神話のアテナ)が祀られているのかな。さっそく中に入ってみましょう。

☆ 神殿内部

未来の建物と言われても信じてしまいそうなくらい均整のとれた内部の様子。外から見るよりずっと広く感じます。

☆ 見上げれば......。

神殿内の中心で真上を見上げると、空が見えます。パンテオンの天井の中心には光を採り入れるための天窓が開いていて、内部を明るく照らしています。ここパンテオンには、私の大好きな画家ラファエロ・サンティのお墓もあります。
現代のように高層ビルやテレビや地動説なんかがない時代。神々の祀られたこの神殿の真ん中に立たされて、「ここが世界の中心である」なんて言われたら、私なら信じちゃうなぁ。


☆ ナヴォーナ広場

パンテオンを後にして次に私たちが向かったのはナヴォーナ広場です。アーティストや出店、レストランバーなどがたくさんあって、たくさんの人で賑わっています。噴水や建物の景観も素敵。ストリートアーティストのパフォーマンスや、甘い匂いのするお菓子の出店なんかを眺めていると、何時間も飽きずに過ごせそうな広場です。

☆ ナヴォーナ広場のオベリスク

広場の中心にはオベリスクが立っていて、立派な彫像がその足元を飾ります。彫像は世界の4つの大河を擬人化して表しているそうですよ。このオベリスクはエジプトから運んできたものね。歴史的価値のある建造物。重かっただろうな。


☆ テヴェレ川とサンピエトロ大聖堂

ナヴォーナ広場から北へ向かうとテヴェレ川に出ます。橋を渡ると向こう岸にはサンタンジェロ城(聖天使城)がありました。星形の敷地にある丸い形のお城です。あちらこちらにある天使の彫像に守護されていました。
お城から西へ向かって広い道が伸びていて、多くの人たちと一緒に私たちもその道を西へ向かいます。その先にあるものとは。


☆ 市内の外国バチカン市国

ローマ教皇庁バチカンです。
一つ前の写真、テヴェレ川から見えた建物は、バチカンにあるこのサン・ピエトロ大聖堂でした。上の写真では人々が横に並んでいますよね。これはサンピエトロ広場の境界線。つまりバチカンとローマ(イタリア)の境界線なんです。
正面に見えるサン・ピエトロ大聖堂カトリック教会の総本山。聖堂内にはミケランジェロの傑作『ピエタ』もあります。

☆ 世界一小さな国バチカン

上の写真では椅子がずらっと並んでいますね。教皇の話を聴くためのものでしょうか、広場の中へは入ることができませんでした。ここバチカン市国の中にはサン・ピエトロ大聖堂の他に、教皇の住むバチカン宮殿、コンクラーベが行われるシスティーナ礼拝堂バチカン美術館、バチカン庭園などがあります。どれも見て回りたいけれど、そろそろ空港へ戻らなくてはいけません。飛行機に乗り遅れたら大変。ローマはまたいつか来たいなあ。
トレビの泉ではお賽銭のように1枚しかコインを投げなかったけれど、1枚投げたときに叶う願い事は「またローマに来ることができる」というものだそうです。叶うといいな。でも2枚投げたらもっと素敵な願いが叶うみたい。
コインを2枚投げたときに叶う願い事は「愛する人と出会える」だそうですよ。


☆ さようなら、ローマ。

サン・ピエトロ広場を後にして、私たちは空港へと向かいます。バスや地下鉄を使えばもっと早く戻ることができたのでしょうが、ガイドブックも持っていないし勝手がわからないので、来るときに降りた駅まで歩きました。時間がかかって足が痛くなったけれど、市内を見て歩きながら確実に空港へ戻れます。
空港へ戻ったのは13時30分頃。出発が15時15分だから、ちょうどいい時間ね。カタリが教えてくれたんだけど、このときの残金は8€と5cだったそうです。
チェックインカウンターを通るとき、危険物としてクイック(クイックリリースレバー)を没収されるんじゃないかと心配でした(→マラガ空港での出来事)。もし没収されてしまったら、成田から家まで自転車を担いで帰らなくちゃいけない。それはちょっとむりだなぁ。でも心配は杞憂に終わり、すんなりと通ることができました。ありがとう。これできっと家まで帰れます。

搭乗ゲートで飛行機を待ちながら、私はいろいろな想いを感じていました。アイルランドから始まったこの旅は、この飛行機に乗ることで(成田から家までの道のりは残っているけれど)終わりを迎えます。日本に帰れることの嬉しさと、旅が終わることの淋しさ。家族に会うこととか、旅先で出会った人たちのこととか、目にしてきた様々な光景のこととか。過ぎてしまうとなんだかちょっと夢みたい。長くて短い時間だったな。大人になる前にこんな経験ができるなんて、やっぱり幸運なことじゃない? 私はこの旅できっと成長できたと思うし、自分のことが旅の前より好きになった。保護者のカタリには感謝しています。もちろんまだ旅は終わっていないから、まだまだ気持ちを引き締めていないとね。
そんなことを考えていると搭乗ゲートが開いて、成田行きの飛行機は予定通り出発。興奮していたのか、飛行機の中でも私はいろいろなことを考えて、体が熱くてあまり眠れませんでした。

次回はいよいよ最終回。長い自転車旅が幕を閉じます。




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