Saint Jean pied de port (ピエドポー)からSantiago de compostela (サンチャゴ)までの巡礼路を自転車で旅しました。
これから旅をしようと考えている人の手助けになればと記録を残します。
目次へ 文:Luna 助言・あーせい更正・校正:katari
Camino de Santiago 巡礼路
「旅の装備」
<このページの記事>
〇 海外での旅の必需品
〇 歩きの巡礼者の装備
・ザック
・ブーツ
・水筒
・それ以外の歩きの装備
〇 自転車旅の装備
・装備できる場所
・荷物の内訳
〇 GPSロガー
〇 日記 4日目「聖ドミンゴ街道」
海外での旅の必需品
基本的なものだけれど忘れてはいけないものをまず列挙します。
・パスポート
・航空券(※1)
・現金
・カード(※2)
・旅行保険(※3)
※1)最近は航空券を直接持ち歩くことはあまりありません。
eチケットも印刷した紙が必要な場合とそうでない場合があり、予約さえしてあればパスポートだけでチェックインできる航空会社が多くなっています。
※2)カードはATMで現金を引き出せるキャッシュカードを持つ人と、クレジットカード中心の人がいると思います。使いやすいやり方で構わないですが、巡礼路ではATMのない田舎の村に泊まったりもするので、常にある程度の現金が手元にあるようにしておく必要があります。
トラベラーズチェックの流通は減ってきています。
※3)旅行保険に入っていない私たちが言うのもおこがましいですが、旅行保険には入っておくことをお勧めします。何かあったときに安心です。
歩きの巡礼者の装備
私たちは自転車での旅なので、自転車旅の装備を詳しく書きます。
でもその前に歩きの巡礼者たちの持ち物も見たり聞いたりしてきたので、併せて書き残しておきます。
まずは三大重要装備<ザック><ブーツ><水筒>について、ほんの少し詳しく書きます。
・ザック・・・
「ザックの重量は体重の10分の1がいいんだ」とみんな言っていましたが、10分の1以下の重さに収まったという人には一人しか出会いませんでした。必要なものを入れていくと、どうしても越えてしまうようですね。ちなみにその人は体重が100kg以上で、荷物は10kgくらいでした。
ザックは使い慣れた物があれば、それが一番です。新しいものを用意するときには、50ℓくらいが良いと思いました。もしパッキングに自信があれば、30ℓがより良いと思います。実際は70ℓくらいの人が多くいますが、巡礼者たちの感想は「余計なものは持ってこなければよかった」か「余計なものを持ってこなくてよかった」というものが多かったからです。
ザックが背中にあたるところの造りはとても重要です。
一つは通気性で、汗を十分外に逃がせるような機構であると服も背中も楽です。
もう一つは背中にあった形状のフレームです。ザックの骨格となるフレームは小さなザックにはないものも多いと思いますが、これがあると格段に楽になります。昔の薪拾いや歩荷(ぼっか)が使う背負子(しょいこ)は実によく作られていて、柔らかい布袋を背負うよりも固い木枠のある背負子のほうがずっとずっと負担が少なくて済むのです。
重い荷物を背負って毎日長い道のりを歩くのであれば、形状が固定されるようなザックを選ぶと良いでしょう。
・ブーツ・・・
ザックと同じか、それ以上に慎重に選びたい重要な装備品です。
旅をしていれば雨にも降られます。ブーツが濡れても毎日それを履いて旅をします。できればゴアテックスのような通気性の良い防水のものを用意できると良いのですが、新しく買って履きなれていないものが一番苦労するかもしれません。
道のりはごつごつした石のある場所なども多いので、足首までしっかりした登山靴かハイキングシューズなどで、かつ軽いものが良いと思われます。
なかには中世ヨーロッパのサンダルのようなものにこだわる人もいました。もし午前中だけ歩いて午後乾かすことができるのなら、地下足袋で行く強者がいても面白いでしょうね。お薦めはしませんけれど。
巡礼路で一番多くのトラブルが足の痛みです。
私たちが出会った8割ほどの人は「巡礼者の足は痛いものだ」という意識でした。
靴だけではなく、靴下や中敷きにも気を遣う必要があります。雨の日には靴を覆うスパッツ(ゲイター)があると良いですね。
・水筒・・・
巡礼の道に限らず旅をするときの重要な荷物が水です。水を上手に運べるかどうかで、荷物運びの難易度が左右されるといってもいいくらいだと思います。
水を運ぶ方法はいくつかあります。
〇 水筒を使う・・・女性ならかわいい水筒があればつい使いたくなりますよね。でも水筒が重いと大変だし、軽くて小さな水筒だと旅の中では(特に夏の巡礼路は暑いので)足りないでしょう。
それでも水筒を使いたい場合は、ザックを下ろさなくても取り出せるようにしましょう。水を飲むたびにザックを下ろして荷をほどくのは案外大変なものです。ザックのサイドポケットに入れられるようにすると良いと思いますが、左右の重心が偏らないように中の荷物を工夫して入れましょう。
〇 ペットボトルを使う・・・ペットボトルの良いところは軽いことと、スーパーなどですぐに新しいものと交換できて衛生的なところです。
山登りをする人や旅人たちにとって、画期的な発明品だったでしょうね。
これも水筒と同じように歩きながら取り出せるようにすると良いです。大きなペットボトルを手にもって歩くのは無謀なのでやめましょう。
〇 ハイドレーションパックを使う・・・登山用品店へ行くとプラスチックでできた水袋が売られています。これを水筒の詰め替え用にザックに入れると、ザックの重心をコントロールできて多くの水を運べるので便利です。
さらにザックに入れたパックから直接チューブで水を飲むことができるハイドレーションパックだと、詰め替えの手間も省けます。
もし歩くことに力を注ぎたいのであれば、このハイドレーションパックが一番便利です。
☆ 中世の時代の巡礼者の装備
・それ以外の歩きの装備・・・
〇 杖・ストック・・・自転車旅では必要ないですが、歩きの旅では重宝します。
重い荷物を背負って毎日歩くと、足と共にひざへの負担が大きくかかります。杖やストックはその負担を腕にも分散できるので、かなり軽減することができます。
巡礼路の途中には「貸杖屋さん」がいる区間があります。朝の出発時などに木の枝で作った簡易な杖を借りて、到着した先などでそれを返します。貸杖屋さんはそれを車で持ち帰り、次の巡礼者にまた貸します。
きつい下り坂では足を傷める人が多いので、その次の日の行程などでよく見かけました。料金やルールなど詳しくはわかりませんでしたが、気楽に借りて、気楽に返しているようでした。
巡礼路ではそれだけ杖が必要とされています。
〇 帽子・・・夏は日差しが強いのでつばの広いハットが良いと思います。キャップの人も少なくないですが、帽子はあったほうが良いでしょう。
〇 サングラス・・・巡礼路では大地からの日差しの照り返しも強いので、虹彩が青や緑などの色素の薄い人ならば目を守るためにもかけたほうが良いです。でもサングラスをかけることは目を守るだけではなく、体力の消耗を抑える効果もあるようです。
〇 家の近くの石とアイテム・・・巡礼路の後半に「鉄の十字架(Cruz de Ferro)」と呼ばれる聖地を通ることになります。そこには自分の住む土地から運んできた石を十字架の元に置いてくると願いが叶うという伝説があります。また、持っている品(アイテム)を捧げると祈りが通じるとも言われているそうです。
この聖地に強い想いをもって旅をする巡礼者は少なくありません。もし願いごとがあったり、祈りを通じさせたい人がいたりするならば、石と品を持っていくと良いでしょう。写真や手紙を持っていく人も多くいます。
自転車旅の装備
歩き旅の人と兼ねるものが多いですが、私たちが自転車で旅をするときの荷物を紹介します。
☆ 自転車の装備
・装備できる場所
〇 フロント(前)キャリア
〇 フロントバッグ
〇 フロントサイドバッグ(左右)
〇 リヤ(後)キャリア
〇 リヤサイドバッグ(左右)
〇 サドルバッグ
〇 フレーム下段(ダウンチューブ)
〇 フレーム上段(トップチューブ)
〇 フレームセンター(シートチューブ)
〇 ハンドルバー
このほかにサイクルトレイラー(牽引する小さなリヤカー)を付けることもできます。
リカンベント(仰向けの姿勢でこぐ自転車)の装備はまた違うものが色々あるので、今回は記述せずに写真だけ載せます。
☆ リカンベントの旅装備
ポルトガルのファティマで出会った旅仲間のものです。
・フロントキャリア (前輪の上の荷台)
私は特に何も付けていません。
カタリは今回前かごを付けていきました。
前かごがあるとスーパーから宿まで買ったものを運ぶのに便利です。でも携帯リュックを使ったので、ほとんど前かごは使いませんでした。
・フロントバッグ (ハンドルバーの前に付けるバッグ)
小さなショルダーバッグ(カタリはウエストバッグ)をフロントバッグとしてハンドルの前に付けています。貴重品を入れておいて、買い物などで自転車から離れるときにはすぐに取り外せるようにしています。
・フロントサイドバッグ (前輪の横に付けるバッグ)
荷物が多い場合だけ使います。少しのぶれでもハンドルをとられてしまうので、上手に乗らないと危険です。
リアサイドバッグと併せると荷物の容量がぐっと大きくなります。
リアサイドバッグは片方だけでも重心をコントロールできますが、フロントは重心が偏るとコントロールが難しいので、片方だけ装備するのはやめたほうが良いと思います。
私たちはフロントサイドバッグをほとんど使いません。
・リヤキャリア (後輪の上の荷台)
ここに載せる装備品を工夫することで積み込める荷物の量がだいぶ変わります。
テントは 2人で1つなので、カタリの装備で説明します。
☆ リヤキャリアの荷物
積んでいるのは
〇 テント(32x13Φcm)
〇 テントのポール(支柱)
〇 空気入れ
〇 水
〇 食糧 です。
荷物が揺れると推進力が左右に分散されてしまうので、揺れないようにしっかりと縛るのがこつです。
・リヤサイドバッグ (後輪の横に付けるバッグ)
右側(チェーン側)を「工具袋」、左側を「服袋」と呼んでいます。
ここに主な荷物を入れることになります。
・サドルバッグ
サドルの下にある小さなバッグです。
カタリは自転車の工具とワイヤーロックを入れています。私は懐中電灯と果物ナイフとワイヤーロック。
・フレーム下段(ダウンチューブ)
ドリンクホルダーを付けています。
500mlペットボトルを入れて、すぐに飲めるようにしています。
・フレーム上段(トップチューブ)
シートチューブと併せて予備品入れを装備しています。私は何も付けていません。
予備品入れはカタリが昔に自作したものです。今ならミラが作ってくれそうですが、そのときはまだ小さかったので。
☆ 自作の予備品入れ
・フレームセンター(シートチューブ)
トップチューブと併せて予備品入れを装備しています。
ここに大きめのドリンクホルダを付けて、ガスやホワイトガソリンなどの燃料を積んでいる自転車も見かけます。
・ハンドルバー
〇 サイクルコンピュータ
〇 ライト
〇 ベル
〇 お守り
を付けています。
ここにフロントバッグをアタッチメントで着脱できるパーツがあり、それを使っている人は多いです。バッグの上部は透明なビニールで、運転しながら地図が見えるように入れることができます。
またハンドルバーにスマートフォンやGPSナビゲーションを付けている自転車も多くいます。防水のカバーもたくさん出回っています。
私たちは道が分からなくなったらいちいち自転車を停めて地図で確認する、という方法をとっています。
・その他
〇 バンド・・・右足首にはボトムの裾がチェーンに絡んだり汚れたりしないようにバンドで留めています。レギンスのときは使っていません。
〇 ミラー・・・イギリスやニュージーランドでは日本と同じ右に、ヨーロッパでは左に付けます。車は右側通行なので。
〇 ワイヤーロック・・・ワイヤーロックを2つ使っているのですが、先ほど写真を載せたリカンベントの旅人サミュエルに言われました。「これじゃ『ご自由にどうぞ』って札を付けているようなもんだぞ」って。
自転車は油断をすると、たとえヨーロッパであってもあっという間に持っていかれてしまいます。それがたとえ聖なる巡礼路であっても、備えはしっかりとしておきたいものです。
☆ 裾バンド・ミラー・ロック
・荷物の内訳
(二人で兼用しているものも多いので、二人分の持ち物を混在させて書いています)
荷物はカバーをかけていても長時間雨に当たると濡れます。
完全防水のバッグを使うか、バッグの中の荷物を防水のスタッフバッグに入れるかして対策をとりましょう。
<フロントバッグ>
・財布(現金・カード・緊急連絡先やパスポートナンバーなどのメモ)
(国際学生証のような写真付きIDがあると便利)
・スマートフォン
・巡礼者の証
・電子辞書
・手帳・日記・筆記具
・予備の現金とトラベラーズチェック(T/Cはあまり流通していません)
・お守り
・サイクルコンピュータ(走行していないとき)
・カメラ
・バッグカバー(ビニール袋)
<リヤキャリア>
・テント・ポール
・空気入れ
・水
・食糧袋
<リヤサイドバッグ「工具袋」>
・お鍋(クッカー)
・ガス(現地で調達)
・ガス用シングルバーナー
・スプーン・箸・食器
・ライター
・ナイフ
・コンパス
・常備薬
・懐中電灯(ヘッドライト)
・ロープ
・輪行バッグ
・充電器
・プラグ変換アダプタ(CタイプーAタイプ)or(CタイプーUSB)
・予備バッテリー
・交換用SDカード(カメラ用)
・ビニール袋(大小いくつか)
・トイレットペーパー・ウェットペーパー・ナプキン
・バスセット(せっけん・シャンプー・コンディショナーなど)
・洗顔セット(歯ブラシ・歯磨き粉・櫛・ひげそり・フロスなど)
・ヘアゴム・ヘアピン・爪切り・ばんそうこう
・化粧水・日焼け止め・ボディシート
・裁縫セット
・釣り針と釣り糸
・予備のスタッフバッグ(防水バッグ)
・いろいろ使える小さな荷締めベルト・紐
・ビーチサンダル
・(小さな折り畳み傘)
・GPSロガー(後述)
・エアマットレス
・バッグカバー
<リヤサイドバッグ「服袋」>
・寝袋
・(服袋)替えの服(上着)
・(服袋)替えの服(下着)
・(服袋)汚れた服・濡れた服
・タオル
・レインウェア
・記念のチケットや地図を入れておく袋
・地図
・バッグカバー
<サドルバッグ>
・懐中電灯
・果物ナイフ
・パンク修理キット(レバーx2・パッチ・ゴムのり・紙やすり・虫ゴム・予備バルブ)
・ツール(六角レンチ・ドライバー・スパナ・ペンチ)
ツールは自分の自転車を分解・組立するために必要なすべてのものです。なるべく少なくするためにボルトのレンチサイズなどをできる限り統一しましょう。
・オイル
・(バルブ変換アダプタ(英・仏・米))
・ワイヤーロック
・予備用ワイヤエンドキャップ
<予備品入れ>
・ブレーキワイヤ
・ブレーキワイヤのアウタ
・シフトワイヤ
・シフトワイヤのアウタ
・アウタのエンドキャップ
・交換用ブレーキ
ワイヤとアウタを小さなペンチでカットするのは大変なので、私たちは前後それぞれのワイヤとアウタを前もってカットし、セットを作っておきました。
<食糧袋>
・缶オープナー(缶切り+栓抜き+コルク抜き)
・調味料(クレイジーソルト・コンソメ・にんにく)
・日常食(パン・チーズorソーセージ・ドライフルーツ)
・予備食(パスタ・豆の缶詰)
・非常食(チョコレート・グミなどのお菓子)
・ワイン入れ(500mlペットボトル)
・ウェットティッシュ
・スプーン
・買い物袋(携帯リュック)
<身に着けるもの>
・お腹のシークレットポーチ(パスポート・予備のお金・クレジットカード)
・帽子かヘルメット
・グローブ
・(サングラス)
できる限り体には何も身に着けないほうが良いです。でも体を守り体力を温存することのできるアンダーアーマーのような長袖やレギンスは着たほうが楽です。
「聖ドミンゴの敷いた街道を真っすぐに走る」
カミーノ4日目 (ここからは日記です)
Luna
☆ ナヴァレッテからVillafranca Montes de Ocaへ
朝の7時くらいになると宿の奥さんが片づけを始めました。慌ててカタリを起こして朝ご飯。8時前に出発しました。
空は白っぽく濁っていて、昨日よりも暑いです。
☆ トゲトゲの実
Sótesという村で教会に入り、朝のお祈りをしました。するとぞくぞくと村のお年寄りの方々が集まってきて、司祭さんの朝のお説教が始まったので私たちは遠慮しました。
☆ 丘の上の教会
この辺りでは丘や山の上に教会を建て、その周りに町をつくる、というところが多いようです。
町がつくられた往時、人々が宗教に対してどのような思いでいて、どのような生活を送っていたのか、想いを馳せます。
そこから先はサント ドミンゴの町までN120という道をずうっと真っすぐに走ります。30kmくらい真っすぐに走りました。
この道はログローノから明日到着するブルゴスまで続く道で、11世紀に聖ドミンゴが敷いた石畳の街道だったそうです。
サント ドミンゴの町は「Sant Domingo de la Calzada」という名前で、石畳街道の聖ドミンゴという意味だそうです。
☆ サントドミンゴの石畳
サントドミンゴの町に到着するとお昼時ということもあって、数多くの巡礼者たちが歩いたり休んだりしていました。
巡礼者の行き交う町です。
巡礼者たちは皆同じ方向へ旅をしていくので、町の中に方向感ができているのがなんとも不思議でした。東を「入口」西を「出口」と呼んでもいいくらい。
きっと巡礼者がとても多かったから、そんなふうに感じるのでしょうね。
☆ サントドミンゴの町
私たちはお昼を食べる前に大聖堂に行きました。中は博物館のような展示スペースもあり、街道を敷いた聖ドミンゴのお墓も建物の中にありました。
☆ 大聖堂
聖ドミンゴは巡礼者たちを助けるための修道院を開き、街道を整備した人物だそうです。
この町には巡礼者にまつわる復活の奇跡の伝説があります。その中に料理されたにわとりが鳴き声をあげる場面があり、今でもにわとりは奇跡のシンボルとしてあちらこちらに描かれています。
☆ にわとりは聖ドミンゴの奇跡の象徴
このドミンゴ大聖堂で私たちもようやく巡礼者のシンボルである貝殻を買いました。
普通は後ろから見えるように付けるものなのですが、カタリは前のかごに付けていました。
☆ 巡礼者のシンボルのスカロップ(ホタテ貝)
広場でお昼ご飯を食べているときにマッティアとホアンが通りかかり、手を振ったのですが遠すぎて気付かないまま行ってしまいました。
町に入る前にはサン=ジャン=ピエ=ド=ポーの手前で出会ったフランス人の青年が追い越していきました。彼はサン=ジャン=ピエ=ド=ポーに至る前には一人でしたが、その時は他の2人のフランス人と一緒に3人パーティを組んでいました。
町を出ようとすると長旅をしている様子の日本の自転車旅の人と出会いました。
彼はドイツから入り、イギリスを回って、ベルギー、フランスを通って来たそうです。今夜はこの町に泊まろうか迷っていましたが、きっと泊まったのだと思います。この町をとても気に入った様子でしたから。
☆ 立派なホテルへ
私たちはサントドミンゴの町を出発し、Villafranca-Montes de Ocaという小さな村にやってきました。
小さな村だけれど大きな教会と大きなホテルがあり、町はずれにはドライブインやレストランもありました。
ここから先は登りの山道になるので休憩地点として適しているのかもしれません。
アルベルゲを探すと、なんとその大きなホテルに「アルベルゲ 10€」のサインが掲げられていました。
ずいぶんと立派なホテルのようですが、アルベルゲがあるのなら泊まりたいところです。この先は山道で、今夜はふもとに泊まろうと話していましたから。
☆ ホテルの通路
中に入ってみるとアルベルゲらしからぬ雰囲気です。
あちらこちらに弓や鎧などが飾られていて、廊下や階段は大理石でできています。私たち、間違っていないかしら?
フロントへ行くとかしこまった感じのお姉さんが対応してくれました。
確かにここはホテルだけれど、最近になってアルベルゲの経営も始めたそうです。
2段ベッドは9€、1段ベッドは10€とのことでした。
2段ベッドでも構わないのだけれど、珍しいので1段ベッドに泊まることにしました。
あんまり立派なホテルだから驚いちゃったわ。
館内を通って別館にあるアルベルゲへ行くと、たくさんの巡礼者たちが楽しそうに談笑しながらホテルのカフェで食事をしていました。
私たちは荷物を運んでから洗濯をして、商店で買い物をしてからアルベルゲのキッチンで夕飯を作りました。
ホテルから買い物に出かけたときに、サン=ジャン=ピエ=ド=ポーの前と今日サントドミンゴの町の前で出会ったフランス人青年と出会いました。
彼らも宿泊するのかと思ったら、歩きの巡礼路を越えられるか確かめに来たところでした。今日、これからブルゴスまで行くみたい。
ブルゴスは山を越えて40kmくらい先の大きな町。行けなくもないけれど、簡単でもないわね。
彼らは歩きの道を見て「どう思う?」って私たちに訊いてきたんだけど、見れば岩だらけの山道。こちらも行けなくはないけれど、とっても大変、といったところ。
カタリと彼ら 3人は車の交通量と山道の話をしばらくしていたけれど、最後にはしばらく休んでから車道を行くことに決めたみたいでした。それも今日のうちに。
「教会の芝生で少し眠ってから行くよ」と言って、しばらくの間横になって休んでいました。
☆ 教会の芝生で休む3人
ほんと、昨日のおじいさんやシモンにしても、彼ら3人にしても、驚くべき体力の旅人がたくさんいます。
私たちは夕飯を食べてから何人かの巡礼者と少しだけお話をして、慣れない1段ベッドをのびのびと使って快適に眠りました。
☆ 1段ベッドの大部屋
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