ポルトガル自転車旅 2日目 青いタイルの建物たち。ビーチの町でリアタイヤを交換して七面鳥を食べました。
Luna
自転車の旅【ポルトガル編5】
ヨーロッパを自転車で旅しました。ポルトガルの道の記録です。
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ポルトガルの旅路「2日目」
Vila Nova de Cerveira から Póvoa まで
★ 2日目の道のり
国の北端からポルトガルに入った私たち。国境でもあるミーニョ川に沿って下り、ヴィラ ノヴァ デ セルヴェイラという山のふもとの町に到着しました。宿はきれいで部屋は貸し切り。小さくてきれいな町を見て回り、おいしい夕飯を作ってゆっくり休むことができました。今日もポルトガルの旅を続けます。
☆ 居心地の良い宿を出発します。
今朝は顔を洗った後に水が止まってしまいました。フロントに尋ねると、5:00~10:00まで断水だとのことです。朝食後には歯を磨きたいから、出発が遅くなるかしら。宿は朝食が含まれているので、約束の8:30に朝食をいただきました。久しぶりのコーヒーが美味しかった。朝食後9:00には水が出ました。水が使えるって、とってもありがたいことです。良かった。歯を磨いて気持ちよく出発します。
☆ ポルトガルの建物
今朝は朝食に合わせたのでゆっくりできました。準備を整え、自転車に荷物を積み込んで、さあ出発です。
今日はどんな旅の一日になるのでしょうか。
☆ 御屋敷かな?
ここはポルトガル。今まで旅をしてきたスペインとは異なる色、異なる形をした町の姿を眺めながら走ります。ポルトガルの町は上品で、田舎です。白地に美しい青の絵を施したタイルをあちらこちらで見かけました。きっとこの国の特産なのでしょう。
☆ 教会広場
ポルトガルの教会は尖塔の形などあちこち丸みを帯びています。オリエントの文化が感じられる気がします。大航海時代に多くの国々と交易があったからでしょうか。想像をかきたてられます。
☆ 河口の町 Caminha
しばらくいくとミーニョ川のポルトガル側の河口の町カミーニャ(Caminha)に入りました。この町を通る道は川に面していて、その川が朝の空の青色を映して、素晴らしく美しい色が視界を覆いました。思わず「わあ。」と声を出してしまいます。
☆ フェリー乗り場
カミーニャの町の入口には小ぢんまりとしたフェリー乗り場があります。小さいけれど整っていて、日々多くの人々を川向うまで運んでいる様子がうかがえます。
このフェリー、どこへ向かう船なのかというと......。
☆ サンタ・テグラの山
川向うに見える山、サンタ・テグラ(Monte de Santa Trega)へとミーニョ川を渡してくれるフェリーなんです。
このサンタ・テグラの山には Castro de Santa Trega という村の遺跡があるそうです。その村は古代ケルト人たちの住居跡で、大西洋とミーニョ川に面した美しい山の上にあります。ケルトの人々が暮らした家々。アイルランドで見た住居跡によく似た円形の石積み住居だったようです。
→ アイルランドで訪れたケルト人の住居跡を旅したときの日記
グーグルマップの航空写真で見ると、とても興味深い姿が見られますよ。
☆ お城のようなカミーニャの教会
城壁に囲まれたお城のような教会。奥には修道院や要塞跡もあります。この町は海からの敵の侵入を防ぐための重要な基点だったのですね。平和になった今では、ここカミーニャは本当にきれいな町。
☆ 川と海の交わるところ
川沿いに自転車を走らせます。朝の凪いだ川面は空の青を映して幻想的な美しさ。なんだかちょっと夢っぽい雰囲気に現実感を失います。
☆ 対岸の山はケルト人の暮らした土地
川の向こうにサンタ・テグラの山を眺めながら進みます。あの山にはかつてケルトの人々が暮らしていたのね。いったいどんな日々を過ごしていたのかな。きっと魚や貝を食べ、家では家族と眠り、恋人と山の上でおしゃべりをし、この青い海を眺めたのでしょうね。遠い昔も私たちと変わらない、同じ人間としての生活をしていたのでしょうね。
☆ リマ川に架かる橋
Viana do Castelo という大きな町でリマ川という川を渡りました。ここで時計台の時計を見た私は時刻のずれに気が付いたの。今朝まではスペインの時刻と変わらなかったから、どこかで時差が変わったのだと思う。アイルランドと日本の時差は8時間。フランスに入ってから7時間になったのだけれど、また1時間時差が増えて時差は8時間になりました。生活が1時間遅くなります。といってもあまり時刻を気にしない旅だけれどね。
☆ ポルトガル様式の教会
右手に大西洋を眺めながら海沿いの道を南下していきます。
ポルトガルのオレンジ屋根やタイルのはめ込まれた教会などが素敵です。
この頃私の自転車のリアタイヤがかなりすり減っていたので、もし今日自転車屋さんのある町に宿を見つけられたらタイヤを交換しようとカタリが言ってくれていました。そんな折 Esposende という町で自転車屋さんと小さな宿屋を見つけたの。
☆ 小さくてかわいらしいエスポセンデの町
エスポセンデは海沿いの道にちょこんとくっついているような小さな町。中世のお祭りの準備をしているところなのか、旗が飾られたり船型の遊び場が設けられたりしていてにぎわっています。
小さい町なので宿屋もすぐに見つかって、宿のお兄さんとお話しました。部屋はあるそうです。良かった。これで私の最近の心配事だったタイヤも交換できます。ようやく安心できる。だけれどカタリは何やら思案顔。
どうしたのと聞くと、宿の時計を示して「だいぶ早いな」と言いました。時計は午後の1時を指しています。さっきまでの時差なら2時だし、午後早くに宿に入るのは喜ばしいことです。今朝出発したセルヴェイラからここエスポセンデの町までの走行距離は十分な距離の60km。宿はきれいで一人15€。開いている自転車屋さんと宿屋を同時に見つけられる町は多くありません。稀少な幸運です。でもカタリは「もう少し行こう」と言いました。私は「うん」と言いました。カタリがそうしたいというのだから、きっとそれは私の望みでもあるはずなのです。きっとそれで、うまくいくはず。
☆ エスポセンデの町を通り抜けます。
宿のお兄さんに次の町を聞くと、20km先にPóvoa de Varzim という町があるそうです。私たちはエスポセンデの町を通り過ぎて、その町へと旅を続けることにしました。
☆ 伝統的なマント服 (かわいい)
ポボア デ バルジンの町はエスポセンデの町よりずっと大きな町でした。インフォメーションセンターもあったので、まずはそこへ立ち寄って地図と情報をもらいます。どうやらこの町の教会前にはアルベルゲ(巡礼宿)があるらしいのですが、開館時刻にはまだ時間があるようです。インフォメーションセンターには様々な伝統服や工芸品が展示されていました。
☆ ポボアのアルベルゲ
インフォメーションセンターを出て教会とアルベルゲのある場所へ向かいます。大きな町。久しぶりに信号を見た気がします。
アルベルゲは海に向かう通りにありました。ピンク色のビルディングに赤い十字の印が掲げられています。ビルの中にアルベルゲがあるのは大きな町ならでは。扉は閉まっていて、その前に困っている一人の女性がいました。事情を尋ねると、その若い女性は昨夜このアルベルゲに滞在したピルグリム(巡礼者)で、「ポルトガルの道」(巡礼路の名前)はサインが少なく道に迷い、仕方なく今日はまたここに戻ってきたところだそうです。でもアルベルゲは閉ざされていて、どうしてよいか途方に暮れていたところだと言いました。カタリはそれを聞いて「情報を集めてくる」と言って教会へと向かいました。私はもうじき開くはずだからとその女性と一緒に待ちました。
やがてカタリが帰ってきたちょうどそのとき、アルベルゲのオフィスのお姉さんがやってきて、扉を開けてくれました。私たちはその日最初の巡礼者として迎え入れられたのです。
☆ アルベルゲのキッチン
宿に荷物を降ろして一息つくと、すぐにカタリがタイヤを探しに行こうと言ってくれました。「約束だから」って。私の自転車のタイヤはガラスや小さな鉄くずがすぐに刺さってしまうくらいに減っていたので心配してくれていたのだと思います。私たちはすぐに出発しました。
町に入るときに2軒の自転車屋さんを郊外で見かけていた私たちは、少し遠かったけれどまっすぐにそこへ向かいました。一軒目の自転車屋さんまで3kmくらい。大きな自転車屋さんだったけれど私の自転車に合うサイズはありませんでした。私たちの自転車のリアタイヤは700x35c。フロントと同じ32cの太さでもいいんだけど、できればリアタイヤは35cにしたい。重い荷物を載せて長い距離を走るから。
大きな自転車屋さんは町の自転車屋さんとはちょっと違って、主にロードバイクを扱うところが多いの。ロードバイクだと径は700なんだけれど、幅は太くても28cくらい。旅の自転車のリアタイヤには少し心配。私たちはもう一軒の自転車屋さんまで足を延ばすことにしました。
こちらの自転車屋さんはとても大きくて、マウンテンバイクも扱っていました。ここならきっとあるでしょうと思っていたけれど、700x35cはちょうど売り切れだって。困ったな。お店の人たちはとても親切で店中を探してくれました。そして店長らしい人が「あっ! もしかしたら」というようなことを言って、さっき届いたばかりだという荷物をほどいてくれました。するといろいろなパーツの中に700x35cのタイヤがあったんです。私たちもお店の人たちも手をたたいて喜びました(それほどみんなで一所懸命に探していたんです)。それにお店に置かれていたタイヤはどれも20~60€と高いものばかりだったのに、12€で譲ってくれました。ありがとう。
☆ タイヤの交換
タイヤはカタリが肩にかけて運んでくれました。自転車屋さんの隣りがスーパーだったので、そこで買い物もしていきました。
宿に帰るとすぐにカタリがタイヤを交換してくれて、私は夕飯を作りました。ずっと心配だったリアタイヤ。交換できてよかった。
☆ 今夜は七面鳥のステーキです。
タイヤを交換して夕飯を食べた後に町を散歩しました。カタリはポルトーワインを飲んだのでごきげんです。
歩いてすぐのところにビーチがあって、人々がくつろいでいます。天気が良ければきっと賑わってるだろうなと思わせるような着替え小屋の数でした。でもこのときは霧が出ていてちょっと寒々しい感じがしました。
☆ カフェや着替え小屋が立ち並ぶ
☆ 町の大通りがそのまま砂浜に面している
町中を歩く人の数に比べて、ビーチを歩く人は多くありません。もうじき日暮れという時刻でした。
☆ ポボアの港湾地区
防波堤を挟んで砂浜の反対側には湾があります。目の前はショッピングモールやホテル、カジノまである大きな町。きっとリゾート地なのでしょうね。
私たちが散歩を終えて宿に帰ると何組もの巡礼者たちがアルベルゲに集っていました。私たちはキッチンで彼らとお話をしてくつろぎました。
その中で私たちだけがみんなとは逆方向に向かっていました。だってそこにいる誰もが巡礼者で、巡礼者たちはサンチアゴ=デ=コンポステーラを目指す者たちですから。私たちのように帰り道も巡礼宿に泊まって巡礼路を行く人はあまり多くはいません。たまに、いたけれどね。
この日はリアタイヤを交換することができたので安心して休むことができました。明日はポルトガル第二の都市ポルトへ向かいます。
★ 明日へつづく★
miraluna.hatenablog.com
★ 昨日の日記 ★
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